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ウクライナの英雄シェフチェンコ監督、愛する日本撃破に意欲「サウジより強いが…」

text by 編集部 photo by Getty Images

アンドリー・シェフチェンコ
ウクライナ代表のアンドリー・シェフチェンコ監督【写真:Getty Images】

 ウクライナ代表のアンドリー・シェフチェンコ監督は26日、翌日の国際親善試合・日本代表戦に向けた記者会見に臨んだ。

 冒頭で自ら「これだけは言っておきたいのだが、私は日本という国や文化に多大なリスペクトを抱いている。大好きだ。どんな質問が来ても準備はできているよ」と切り出したウクライナの英雄は、サッカーと関係のない質問も受けた。

 敵対関係にある隣国ロシアと、シェフチェンコ監督が現役時代にプレーしたイングランドのあるイギリスの外交対立が今夏のロシアワールドカップに及ぼす影響についての質問も飛んだ。一方で、翌日の試合についても「フレンドリーマッチであろうと重要な試合に変わりはなく、結果も同じように非常に重要になる」と力強く語っている。

 日本代表の印象は「素早いチームで、縦に速いサッカーをする。非常に強力なセットプレーも持っている」というもの。負傷者が数人いることも耳に入っているようだが、「日本はサウジアラビアよりもレベルが高いと思う。チームの中にはドイツやイングランドでプレーする優れた選手たちもいる」と分析した。

 ウクライナ代表は現地時間23日にスペインでサウジアラビア代表と対戦し、1-1で引き分けていた。シェフチェンコ監督は「サウジアラビア戦は勝たなければならなかった。私はあの戦いを嬉しくは思っていない」と述べたうえで、「我々の次の対戦相手は全く異なり、チームの強さを見せる必要がある。もっと集中すべき。前の試合は100%に程遠かった」と選手たちに奮起を促した。

 とはいえウクライナ代表も日本代表と同様に万全の状態ではない。当初招集を予定していたFWアンドリー・ヤルモレンコ(ボルシア・ドルトムント)は負傷で遠征参加を辞退していたほか、DFミキタ・ブドラ(ディナモ・キエフ)とFWロマン・ヤレムチュク(ヘント)も負傷の影響で離脱した。

 また、GKアンドリー・ルニン(ゾリャ・ルハンスク)、MFビクトル・コヴァレンコ(シャフタール・ドネツク)、MFヴォロディミール・シェペリェフ(ディナモ・キエフ)の3人が日本戦と同日に行われるU-21欧州選手権予選のイングランド戦に向けたU-21ウクライナ代表に合流するため、A代表を離れている。

 シェフチェンコ監督は「サウジアラビアや日本はワールドカップの準備を進めている一方で、(予選敗退の)我々は基礎を築いて新しい選手を探しているところ」と、今回のA代表の活動へのアプローチが違うことを強調した。だが、日本戦に出場できるウクライナ代表選手は20人しかおらず難しい状況であることは間違いない。

「昨年11月のスロバキア戦では、我々からボールをコントロールして動いていくサッカーに満足していた。サウジアラビア戦では同じようにできなかった。私の心配はそこだ。日本戦では起こしたミスを修正できるよう願っている」

 ウクライナは縦に速い日本の攻撃を食い止めつつ、ボールを握って試合を支配しようとしてくるかもしれない。英雄シェフチェンコ監督が母国の未来のためにどんなサッカーを作り出すか注目だ。

(取材:植田路生【リエージュ】、文:構成:編集部)

【了】

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