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代表 6年前

優勝候補フランス、課題山積で成熟進まず。「レ・ブルー」側から見たコロンビアの脅威とは?

text by 小川由紀子 photo by Getty Images

フランス戦で好ゲームを演じたコロンビア

 ただ、今回思ったのは、準優勝まで到達した2年前のユーロのときに感じた「ここからワールドカップまでの2年でさらに積み上げていくのだな」という方向にチームが進んでいないということ。

 チームとして熟成がみられないというか、毎回毎回、試行錯誤していて平行線にいる印象だ。ここからの2ヶ月で、いったいレ・ブルーはどこに行くのだろうか。

 最後に、日本がW杯で同組で戦うコロンビアは、ものすごく面白いチームだと感じた。

 序盤は抑え気味なプレーだったが、フランスが2点を先制して湧いていたところでガツっと1点ブチこむと、そのあとは、まさに寝ていた獅子が起き出したかのように牙をむいてきた。

 このチームは本当に乗せると怖い。

 自分たちがコントロールを握ったときの圧がすごい。

 そして、相手のミスをつくのが非常にうまい。むしろ、それを狙いすましているかのようだ。そして、そういった場面で得たチャンスは絶対に逃さない。

 細かいファウルもものすごくうまい。ちょこちょことひっかけてくるから、こちらが苛立ったりしたら最後。平常心を保つ忍耐力も試されるだろう。

 そして、言わずもがな、エリア内での決定力が高い。

 ラダメル・ファルカオは、1回チャンスがあれば1点決められるストライカーだ。フランス戦がまさにそうだったように。

 攻撃力が爆発していた昨季のモナコで、ムバッペやルマールら若手があれだけのびのびやれたのも、いざというとき、そしてここぞ、というボールが入ったとき、必ず仕留めてくれるファルカオ先輩がいたからなのだ。

 中盤底のカルロス・サンチェスも良い仕事人だったし、後半、ファルカオと交代した大柄なデュバン・サパタも動きがダイナミックで恐ろしかった。

 日本にとっては敵方だが、善戦を願いたい好チームだ。

 2ヶ月後にはもう事前合宿が始まっている。

 ワールドカップはもうすぐそこまで近づいてきた。

(取材・文:小川由紀子【フランス】)

【了】

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