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香川真司 6年前

香川真司不在のドルト。はりぼての「ナンバー2」、無惨に砕け散ったプライド

ボルシア・ドルトムントは3月31日、バイエルン・ミュンヘンに0-6で大敗した。同日他会場の結果により、ドルトムントは宿敵に目の前で優勝を決められることはなかったが、それ以上の屈辱、厳しい現実を見せつけられた。(取材・文:本田千尋【ドイツ】)

text by 本田千尋 photo by Getty Images

勇敢さをはき違え、絶対王者に真っ向勝負

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バイエルンに完敗したドルトムント【写真:Getty Images】

 もはや“ナンバー2”は見せかけの称号に過ぎない。3月31日に行われたブンデスリーガ第28節、アウェイでバイエルン・ミュンヘンに挑んだボルシア・ドルトムント。王者の力に屈し、無残な姿を衆目に晒すことになった。

 立ち上がりから圧倒された。5分、マルセル・シュメルツァーがマリオ・ゲッツェにスローイン。すかさずアリエン・ロッベン、ハビ・マルティネス、ジェローム・ボアテングに囲まれるゲッツェ。奪われたボールは、ペナルティエリア目掛けて走るトーマス・ミュラーに渡る。さらにミュラーがロベルト・レバンドフスキにスルーパス。ポーランド代表の絶対的エースは、フェイントでGKロマン・ビュルキを外すと、右足でボールをゴールに蹴り込んだ。昨年12月に行われたDFBポカール3回戦での対戦時と何ら変わらず、ドルトムントは早い時間帯での失点を繰り返した。

 試合後、敵将ユップ・ハインケスは次のように述べている。

「リズムを見出すという点で、しばしば代表ウィーク明けは難しいものだ。そのことに関して我々は良くやった。チームは試合開始から本当に集中していたね」

 バイエルンは「本当に集中していた」。「試合開始から」勝敗を決めにきていた。さらに14分、ハメス・ロドリゲスに追加点を奪われるドルトムント。開始15分で2点のビハインドを負う。完全に「リズム」を掴み損ねていた。

 「我々は5バックではプレーしないだろう」と明言していたように、ペーター・シュテーガー監督は[4-2-3-1]の布陣を採用。そして決して自陣にこもろうとしない姿勢は、勇敢というよりは、少し正直に過ぎたかもしれない。

 23分、敵陣に入ってボールを回そうとすると、ゴンサロ・カストロがセンターサークルの中でハメスにボールを奪われ、カウンターを仕掛けられる。レバンドフスキから再びボールを貰ったコロンビア代表のエースは、ペナルティエリアの左から緩やかに折り返すと、ファーでミュラーが押し込んで3点目。力の差を、まざまざと見せつけられた。まだ前半の半ばだが、接戦にも持ち込めそうにない。

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