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日本代表 6年前

なでしこはW杯への切符掴めるか。猶本光が語る「いい守備」の重要性、直面する世界の壁

text by 舩木渉 photo by Getty Images

「いい守備」とは何か。なでしこジャパンに必要なこと

猶本光
猶本光はなでしこジャパンでの組織的な守備の重要性を説く【写真:Getty Images】

 もちろん選手も自分たちの抱える問題点を認識している。3月のアルガルベカップにも参加し、アジアカップのなでしこジャパンメンバーにも名を連ねているMF猶本光は、勝利を引き寄せるために「やっぱり守備ですね。中盤が勝てないと難しい」と語る。

 アルガルベカップで欧米の強豪として体感したのは「中盤が守備で勝てないと(流れを)持っていかれる」ということ。「いい攻撃、いい形ができる時は、いい守備ができている時だと思う」とも述べる。

 猶本の語る「いい守備」とは何か。それは「DFより1列前で止めるのもそうですし、FWのいい牽制が入ったりとか、チームとして連動してボールに(プレッシャーを)かけて奪えたりとか、意図した守備ができている時」である。

 チームとして組織的な守備を戦術としてプランニングし、ピッチ内の状況に応じて「意図」を変化させながら柔軟に相手の良さを消していくこと。これこそが今のなでしこジャパンに最も必要なことではないだろうか。もはや選手個々の能力に依存した攻撃や、ボールポゼッションで勝てる時代は終わった。

 猶本は「もっと攻撃にも迫力を持たせないといけない」と認識しており、そのために「個の部分は今更なので、いかにチームとしてまとまれるか、連動できるかが一番重要になってくる」と課題を明確に意識している。

 なでしこジャパンがアジアカップのグループリーグ第3戦で対戦するオーストラリアには、リオデジャネイロ五輪予選で1-3、昨年の4ヶ国対抗戦で2-4と連敗中で、FIFAランキングでも上回られている(日本:11位、オーストラリア:6位)。

 高倉監督も「ここ3、4年メンバーをほとんど変えることなく、熟成してきていている。オーストラリア史上最強だと思う」と認めている。今の日本が選手個々を11人分足し算しただけでは勝てない相手、それぞれの能力のすべてを掛け算しなければ勝てない相手だろう。

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