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日本代表 6年前

なでしこはW杯への切符掴めるか。猶本光が語る「いい守備」の重要性、直面する世界の壁

いよいよ、なでしこジャパンのアジア連覇をかけた戦いが始まる。来年フランスで開催されるFIFA女子ワールドカップ予選を兼ねた女子アジアカップが開幕し、日本は7日にベトナムと対戦する。リオデジャネイロ五輪出場権を逃すなど、近年は低迷が叫ばれる日本女子サッカーに再び火を灯せるだろうか。課題山積のなでしこジャパンは、大会の中で成長しながらアジアの壁を乗り越えなければならない。(取材・文:舩木渉)

text by 舩木渉 photo by Getty Images

アジアカップ開幕。W杯出場権獲得は最低限の成果

なでしこジャパン
なでしこジャパンが来年の女子ワールドカップ出場権獲得を目指しアジアカップに挑む【写真:Getty Images】

 2年前、なでしこジャパンはどん底を味わった。ホームで開催されたリオデジャネイロ五輪予選でまさかの敗退。その前年にFIFA女子ワールドカップで準優勝していたチームがオリンピック出場権を逃すこととなった。

 2011年にドイツで女子ワールドカップを制したなでしこジャパンは、ロンドン五輪でも銀メダルを獲得し、2014年にアジアカップで優勝。2015年のワールドカップも決勝の舞台に立った。ところが、リオデジャネイロ五輪予選敗退は「一時代の終わり」を象徴するような出来事となってしまった。

 再び世界一の景色を見るために。来年フランスで開催される女子ワールドカップの出場権をかけた、女子アジアカップがヨルダンで開幕する。なでしこジャパンは7日にベトナムとのグループリーグ初戦に臨む。

 リオデジャネイロ五輪予選敗退直後に就任した高倉麻子監督は、日本代表選手の条件として「テクニックがあってクレバー」「走れる」「チームのために戦うことができる」「代表への思いが強い」の4つを掲げ、約2年間にわたって様々なトライを続けてきた。今回のアジアカップは、ひとまずその集大成を披露する場だ。

 先月19日に行われたアジアカップに向けたなでしこジャパン招集メンバー発表会見で、高倉監督は「とにかく、なでしこジャパンとして恥ずかしくない試合を1試合1試合心を込めて戦い、まずはワールドカップ出場を決め、目指すのは大会2連覇です。強い気持ちで臨みたいと思っています」と宣言した。

 だが、アジアカップ優勝までの道のりが決して平坦ではないことを肝に銘じておかなければならない。出場8ヶ国中5ヶ国にワールドカップへの挑戦権が与えられるとはいえ、アジアのレベルは過去と比較にならないほど上昇している。今回は女子サッカーにおける強豪と認識されている北朝鮮ですら、予選敗退で出場を逃しているのである。

 日本は2014年の前回大会を制しているため予選免除でアジアカップ本大会に出場できるが、2年前にリオデジャネイロ五輪予選で苦杯を舐めた経験を記憶していれば、アジアの国々が侮れない相手ばかりであることが容易に理解できるはずだ。

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