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CL準決勝、カギは21歳の若武者? ローマが持つ隠し駒。リバプールとのハイプレス対決を制すか

text by 小澤祐作 photo by Getty Images

リバプールの弱点、守備面で抑えたい選手は?

 逆にリバプールにも大きな弱点がある。それは相手にドン引きされたときに自分たちの強みが発揮できないという点だ。もちろんローマは攻撃的なチームであり、終始守備に重きを置くチームではない。

 しかしアンフィールドで行われる試合でアウェイゴールを奪うことも重要だが、前に出てリバプールの強みを受けるより、後ろにどっしり構えて相手にブレーキを掛けさせるということも有効な手段として考えている可能性は否めない。守備が軟弱ではないローマからすれば、1つのプランとして1stレグはこのようなスタイルで乗り切り、2ndレグで勝負を決める。リバプールの弱点を突くのであれば、かなり効果的な戦略である。

 さらにリバプール守備陣にとって厄介なのは、エディン・ジェコとパトリック・シックという2選手である。

 前者は言うまでもなくローマのエースである。193cmの長身を生かしたパワフルなプレーで得点を量産する背番号9はペナルティエリア内はもちろん、エリア外からでもシュートを放ってくる。また、ポストプレーのうまさも備えているため、リバプール側からすると何としてもここはケアしたいところ。

 シックもまた身長186cmと大柄だ。この選手が厄介な理由は、プレーエリアをサイドに置くというところである。このため、同選手と対峙するとみられる身長177cmの左SBアンドリュー・ロバートソンはかなりの不利な状態を強いられてしまう。ここで拠点を作られてしまうと、ローマの選手が一気に走り込んでくるため、チャンスを広げられ、失点にも繋がりかねない。

 ローマがより攻撃的スタイルをとってきた場合は、なおさらこの点のケアは必要になるかもしれない。

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