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ヴェンゲル退任のアーセナル、新監督は誰だ? 不可欠な「4要素」。愚策マンUを反面教師に【粕谷秀樹のプレミア一刀両断】

シリーズ:粕谷秀樹のプレミア一刀両断 text by 粕谷秀樹 photo by Getty Images

30代の若手指導者も候補に?

 CEOのイバン・カジディスは、アーセナルOBのヴィエラやミケル・アルテタ(現マンチェスター・シティ/アシスタントコーチ)とともに、ASモナコのレオナルド・ジャルディム、セルティックのブレンダン・ロジャーズなどをリストアップしているようだ。いずれも30代半ばから40代。68歳のヴェンゲルに代わるフレッシュな人材ではある。

 中でもアルテタはアーセナルでキャプンを務め、人格者として尊敬されてきた。ボールボーイ(ガール)と笑顔でハグする背中には、ヴェンゲルに通じる“父性”が感じられもした。しかもスペイン語と英語を流暢に操り、フランス語、ドイツ語、ポルトガル語、イタリア語も話せるマルチリンガル。どこかの協会とは異なり、選手とのコミュニケーションにも不安はない。

 しかし、2シーズン続けてチャンピオンズリーグ(CL)の出場権を失い、ただでさえフラストレーションが溜まっているサポーターが、監督としては未知数の、まだ36歳のアルテタに納得するだろうか。

 また、スカウト部長のズベン・ミスリンタートが上層部に推薦したと報じられたシャルケのドメニコ・テデスコ、ホッフェンハイムのユリアン・ナーゲルスマンもともにまだ30代だ。

 最終決定権を持つ大株主のジョシュ・クロエンケが37歳であるため、同世代の抜擢も考えられるとはいえ、シティのジョゼップ・グアルディオラ、ユナイテッドのジョゼ・モウリーニョ、リヴァプールのユルゲン・クロップなど、百戦錬磨の指揮官と現場で渡り合うのは、メディア対応も含めて荷が重すぎる。

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