“最強FW”の相棒、ミリク。覆した長身=不器用の概念。ポーランドの最凶コンビが牙をむく【W杯 日本を襲う猛獣たち】

2018年06月11日(Mon)11時20分配信

シリーズ:W杯 日本を襲う猛獣たち
text by 神尾光臣 photo Getty Images
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ナポリで機能した4-3-3のCF

アルカディウシュ・ミリク
所属するナポリでは、4-3-3のCFとしてプレーする【写真:Getty Images】

 ただそれでも、フランク・デ・ブール監督(当時)の目には物足りなく映った。前を向いて左足を振るった時は凄まじいが、CFとして必要とされるポストプレーの精度は今ひとつ。「4-3-3のCFでは活きないタイプ」とダメ出しを喰らってしまうのである。

 能力は高いかもしれないが粗も多いと、オランダでは見られていたミリク。しかし2016年の夏、その彼に3200万ユーロもの移籍金が付けられ、ナポリに買い取られることになる。そしてナポリでは、デ・ブール監督に合格点をもらえなかった4-3-3のCFとして機能を果たすことになった。

 両サイドのウイングがワイドに開き、中央でどっしりと構えるプレイを求められたアヤックス時代と違って、マウリツィオ・サッリ監督が敷くナポリのサッカーでは選手間の距離が狭められている。前線が動き、ポジションを入れ替えることも許容されているので、前線でより多くボールが触れる。ミリクにとっては、リズムが取りやすくなった。

 大型選手ではあるが、ゴール方向を向いてボールを操ったときに良さが出る。ロレンツォ・インシーニエやマレク・ハムシク、またジョルジーニョからは正確なショートパスが足元に出てくるので、彼らとの連係を通して前が向きやすくなるのだ。

 ミリク自身も前線で多くボールに触り、右に左にパスを叩きながら前へ出て、DFラインの間のポジションを取ってシュートに絡む。移籍直後となるセリエA16/17シーズン第2節のミラン戦では、なんと2ゴールを挙げた。

 ミリクは前線で多くボールを触って味方とパスを交換し、守備にも献身的に働くなど、チームの戦術にも早速適応してみせた。ゴンサロ・イグアインをユベントスに持って行かれ、その後釜を心配していたチームにとっても、また失意の中にいたファンにとっても、その喪失感を一気に埋める存在となったのである。

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