韓国サッカー発展を阻む「兵役」の現実。日韓格差は広がる? ソン・フンミンもキャリアの危機に

2018年08月07日(Tue)9時26分配信

text by キム・ドンヒョン photo Getty Images
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サッカー選手が兵役免除を受けるには?

 だが、一般社会、つまり自分が望んでいたように過ごせるはずだった2年間が吹き飛んでしまったのも確かだ。真新しい経験の意味も大きいが、その一方で逃してしまった時間も大きい。ただの学生だった自分にとって、勉強する機会や学生たちと触れ合うチャンスがなくなった。振り返ることのできる時間はあっても、時間を後から補うことはできない。ただの一般人である私でさえそう感じたのであれば、アスリート、特にサッカー選手の場合は兵役に就く2年間がとてつもなく大きな意味を持つに違いない。

 韓国国民の義務であるため、兵役に対して基本的に選択権はない。健康診断を通じて身体が健康な若者男性は法律によって兵役を果たすことが義務づけられている。免れるためには正当な理由が必要であり、大きな怪我を負った前歴、障がい、不遇な家庭環境、移住による外国籍取得など免除される理由はいくつかある。アスリートでも大きな怪我を負っている選手ならば決められた書類を提出し、身体検査を受けることで免除も可能だ。

 また優秀なアスリートには特恵もある。国際大会での入賞も免除という特恵につながる。韓国兵役法第33条7項1号には「入隊対象の中、大統領令で定める芸術・体育分野の特技者として文化体育観光部長官が推薦する人を芸術・体育要員として編入することが可能」と書いてある。

 この「大統領令」で定める条件は「五輪で銅メダル以上・アジア競技大会で金メダル」だ(こちらの内容は前回のコラムhttps://www.footballchannel.jp/2016/08/29/post171668により詳しく書いてある。興味のある方は参照していただきたい)。2012年ロンドン五輪での銅メダル獲得や、2014年仁川アジア競技大会での金メダル獲得により兵役を免除された選手も多数いる。アビスパ福岡でプレーしたGKイ・ボムヨン(現江原FC)やファジアーノ岡山のFWイ・ヨンジェなどが、そうして兵役免除を受けた。

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