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アジア 6年前

カンボジアの夢と希望と勇気の象徴に。アンコールタイガーFCオーナー・加藤明拓氏インタビュー

text by 玉利剛一

カンボジア初の日系クラブダービー開催

-まだシーズン中ではありますが、今シーズンを振り返る際にソルティーロ・アンコールFCと戦ったカンボジア初の日系クラブダービーは外せません。クラブ最高記録の3245人という入場者数も記録しました。

「シェムリアップという町は観光で成り立っているんですね。カンボジア政府としても観光客は増やしたいと考えています。ただ、アンコールワット以外には何もない。僕たちはそこに貢献したい。ソルティーロとも協力して、ダービーの日には町中がお祭りになるくらいまで発展させたい。

 ここでは年に1~2回ほど『アンコールワットマラソン』というイベントがあって外国人観光客が結構来るんですよ。ダービーもそういうものになれば町も潤うはずなので。単なる1試合ではない。サッカー好きのための1試合でもない。シェムリアップという町にとって大切な1試合にしていくべきだなと思っていますし、この考えはダービーのハーフタイムでもお客さんに伝えました」

-そのために必要なことは?

「まずはスタジアムを満員にすることが大切だと思っています。そのためにサッカーとは関係ない出店かとも出してお祭り化する。極論、サッカー観なくてもいいくらいだと思っていて。試合が終わった後に皆で飲みに行くとか、そういう皆が集まるきっかけのイベントになればいい。現地の人が集まって楽しんでいるお祭りじゃないと外国人は来ないですよ。最終的にはお客さんの2割くらいは外国人という状態が理想形ですね」

-最後にこの質問をさせてください。ソルティーロのオーナーでもある本田圭佑氏がカンボジア代表の代表監督兼GMに就任するというビッグニュースが飛び込んできました。これはカンボジアサッカー界にどのような影響を与えるのでしょうか?

「周りから注目されるようになるのはいいことかなと思っています。カンボジアのサッカー協会ってなんでもありなんですよね。例えば、去年のカップ戦の決勝戦では準決勝で警告をもらって累積で出場できない選手が2人いたんですけど、盛り上がらないからという理由で帳消しにして出場させたりしたんです。周りから見られないとそういうことが起っちゃうんですよね。

 一方で心配なのはフェアさ。つまり、1クラブ(ソルティーロ)のオーナーが代表の監督やGMに就任するってガバナンスとしてはめちゃくちゃなんで、代表選手の選考が偏ったりしなければいいなと思っています」

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