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日本代表 6年前

【岩政大樹×コスタリカ戦】森保J、初陣は見極め段階。守備陣に求める能力、指揮官の構想とは?

シリーズ:岩政大樹×〇〇 text by 編集部 photo by Getty Images, Shinya Tanaka

森保監督が「守備」で要求すること

 2トップが日本のセンターバック2人に張りつき、両ウィングバックがサイドに張り出すことで日本の両サイドバックに外を意識させる。それによって4バックのセンターバックとサイドバックの間にスペースができます。

 今回のシステムであれば、そのスペースを中盤の選手が突くのは定石ですが、立ち上がりに事故的にそこ使われてピンチを迎えた場面こそありましたが、コスタリカが試合を通して狙っているようには見えませんでした。全体的に即興で試合をしている印象でしたので、大きな問題が何度も起こる環境ではなかったのです。

 その中では、日本の守備陣のパフォーマンスに対して「素晴らしい」と手放しで言うことはできません。サッカーは常に相手チームが存在していますので、システムの噛み合わせの悪いところを突いてくるのであれば、それに対応して解決策を用意し、試合の中でアプローチを変えていかなければなりません。

 ただ、今回に関しては先ほども述べた通り、コスタリカにチームとしての狙いが徹底されておらず、問題点を試合中に修正しなければならない状況がほとんどありませんでした。そうなると日本代表のパフォーマンスの良し悪しを判断するのは難しくなります。

 では、森保監督は守備においてどんなことを求めているのか。まずは「献身的に粘り強く、チーム全体で動く」という基本的な部分になるでしょう。当たり前のことですが、初めての合宿で、1週間しか時間がない中では戦術をチームに落とし込むよりも、森保さんなりに最低限のベースの部分を伝えて試合に臨んだのだと思います。

「守備者」に対して求めている能力ということで言うと、攻撃時に前方にスペースがあればボールを自ら運んでいく姿勢を見せることが挙げられます。特に三浦(弦太)選手の起用からもその意図が読み取れます。

 最終ラインの人数に関わらず、センターバックでもボールを前に運ぶこと。森保監督がサンフレッチェ広島時代にも選手たちに求めていたプレーですが、同じように日本代表でも要求していくのだろうということが見えました。

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