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香川真司はベンチ外も…ドルトムントが近づいた最適解。4-4-2が示した可能性

text by 本田千尋 photo by Getty Images

4-4-2こそが最適解か

 布陣は[4-4-2]に変わった。ロイスとアルカセルが2トップを組む。ダフートとディレイニーのダブルボランチはそのまま。そして右サイドにサンチョ、左にサイドにヴォルフという格好だ。

 その直後の68分に右サイドを崩されて失点したように、もちろんこのシステムもまだまだ発展途上の段階にある。それでも連係や連動性といった点では、これまで試されてきたシステムー[4-3-3]、[4-2-3-1]—よりも選手たちは好パフォーマンスを示した。

 72分のヴォルフの勝ち越し弾は、ピシュチェクとロイスとサンチョが速く正確なダイレクトプレーで右サイドを崩したことから生まれている。その際にはロイスが下がってボールを受けたが、76分の場面ではアルカセルが下がって受け、そこからロイスとサンチョと崩していった。

 88分のアルカセルの移籍加入後初ゴールも、右のCKからサンチョと2人で崩して生まれた。[4-4-2]は、[4-3-3]と[4-2-3-1]よりも、サッカーとして可能性を示したと言えるだろう。

 こうして見ると、今のところは[4-4-2]が“最適解”にもっとも近いのかもしれない。ファブレ監督は、ボルシアMGを率いていた時代は[4-4-2]を採用したが、やはり慣れ親しんだ布陣でこそ新指揮官も持ち味を発揮できるのはないか。

[4-4-2]の成熟こそが、これから始まる過密日程を乗り切る上で、重要なのかもしれない。

(取材・文:本田千尋【ドルトムント】)

【了】

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