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香川真司 6年前

香川真司に一考の価値あり。チグハグな連係を整える背番号23の能力、CL初戦で出番は?

text by 本田千尋 photo by Getty Images

今のドルトムントに欠けているもの

 もっとも、背番号23が試合のメンバーに入るかどうかは、フタを開けて見なければ分からない。香川が起用されるとすれば、[4-3-3]のインサイドハーフか[4-2-3-1]のトップ下になるだろう。ディレイニーはメンバーから外れたが、そのいずれの布陣でも依然としてライバルは多い。

 これまでのファブレ監督の起用法を踏まえれば、[4-3-3]の場合、マハムート・ダフート、マリオ・ゲッツェ、またはヴィツェル、[4-2-3-1]の場合は、マルコ・ロイス、ゲッツェがポジションを争う相手になるだろう。だが、競争相手が多いとは言え、これらのメンバーを起用したこれまでの試合で、[4-3-3]も[4-2-3-1]も機能したとは言い難いのは、ひとつの救いか。

 アイントラハト・フランクフルト戦の試合後、ファブレ監督は「激しくプレスをかけてくる相手への対処を改善する必要がある。もっとボールを支配できるようになることが目標」とコメントを残した。フランクフルト所属のMF長谷部誠は「今日の試合を見ていても、ドルトムントのチームに何が欠けているかっていうのは、見てる人は感じると思う」と語っている。

 フランクフルト戦でのドルトムントは、特に[4-2-3-1]において、ボール奪取後に縦に急ぎ過ぎる傾向があった。性急に前に行こうとするあまり、連係はチグハグになり、パスが噛み合わないところがあった。「もっとボールを支配できるようになることが目標」なのであれば、試合の流れを読むことのできる経験を持ち、ゲームを落ち着かせることのできる選手が必要になるだろう。そうしたドルトムントに「欠けている」ものをもたらせる選手として、香川は一考の価値があるのではないか。

 ファブレ監督は「改善すべき点はたくさんある」と語る。勝ち点3が義務とは言え、相手が戦力的にかなり劣るブリュージュ戦は、何かを試す格好のチャンスである。

(取材・文:本田千尋【ドルトムント】)

【了】

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