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嗚呼、こんなマンUに誰がした!? 不遜なモウリーニョ…迷走続きの監督人事、先行きは《超不安》【粕谷秀樹のプレミア一刀両断】

シリーズ:粕谷秀樹のプレミア一刀両断 text by 粕谷秀樹 photo by Getty Images

求心力低下のモウリーニョ。何が起こっているのか?

 8節終了時点で4勝1分3敗。モイーズ体制下は3勝2分3敗。7位に沈んだ13/14シーズンの忌まわしい記憶が蘇る。5年前はDFの軸だったリオ・ファーディナンドとネマニャ・ヴィディッチが加齢による衰えを隠せず、攻撃はウェイン・ルーニーとロビン・ファンペルシの個人能力が頼みの綱だった。

 そしていま、攻撃はポグバのセンスに頼らざるをえず、守備はダビド・デヘアとルーク・ショーを除き、だれひとりとして期待できない。なにより闘志が感じられないのだから、先行きは《超不安》だ。

 たしかに、モウリーニョのアプローチには問題がある。ポグバ、マルシャル、ショーを公の場で叱責するが、ネマニャ・マティッチには寛容だ。昨シーズンあたりから運動量がめっきり落ち、側腹を手術して迎えた今シーズンもプレー強度が上がらず、ボールロストも繰り返している。それでもモウリーニョはマティッチを信頼し、ミスを頻発しても先発から外さない。

 選手の扱い方がアンフェアなのだ。ポグバは小さなミスをつつかれ、マティッチはなにかと許される。当事者にすれば大問題だ。ユナイテッドの黄金時代を知るロイ・キーンは「近ごろの若い者は監督に対する尊敬を欠いている」と語ったが、あらゆるチームにジェネレーション・ギャップは存在する。

 リヴァプールは弱冠二十歳のトレント=アレクサンダー・アーノルドが最年少で、最年長のジェームズ・ミルナーとはひとまわりも違う。マンチェスター・シティは18歳のフィル・フォーデンがトップチームに帯同し、三十路のヴァンサン・コンパニ、ダビド・シルバ、フェルナンジーニョにかわいがられている。

 両チームとも世代間の不和は伝えられていない。相互理解さえあれば、歳の差が問題にならないことの実例である。

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