知られざるモドリッチの幼少時代。小さな巨人はいかにして生まれたのか? その背景にある“故郷”

ロシアW杯MVP、FIFA最優秀選手賞に選ばれたルカ・モドリッチは、幼少時代にどのような道を歩んできたのか。知らざるエピソードとともに3回にわたってその道程を追っていく。『ルカ・モドリッチ 永遠に気高き魂』(10月19日発売)から一部抜粋編集。(文:ビセンテ・アスピタルテ、ホセ・マヌエル・プエルタス/翻訳:江間慎一郎、再構成:編集部)

2018年10月19日(Fri)10時00分配信

text by ビセンテ・アスピタルテ photo Getty Images
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世界有数の才能の宝庫だったモドリッチが生まれた地

ルカ・モドリッチ
モドリッチが生まれた地は、世界有数の才能の宝庫だった【写真:Getty Images】

 技術の巨人と呼ばれるトニー・クーコッチ(クロアチアのスプリト出身でNBAでも活躍したバスケの世界的名手/編注)の恍惚感を得られるあり得ないアシスト。おそらくは、これまでハンドボールコートを踏んできた中で最たる天才だった、イヴァノ・バリッチ(ハンドボールで世界最高の選手と謳われた/編注)の手首のひねりの凶悪さ。

 ブランカ・ヴラシッチ(女子走高跳の元世界女王で北京五輪で銀、リオ五輪で銅メダル。クロアチア代表FWニコラ・ヴラシッチは弟/編注)の2メートルのバーを悠々超える高跳び。もしかすると最強のスポーツ食人鬼で、欧州のバスケットコートのゴールを決して傷ませることがなかったドラジェン・ペトロヴィッチ(バスケの伝説的名手/編注)が有する勝者の気質。

 ゴラン・イヴァニシェヴィッチ(クロアチア・スプリト出身の男子プロテニス選手としてウィンブルドン初優勝/編注)の天空をかすめるラケットの反発から繰り出されるサーブ。ピッチを踏むときには流れを決定づけたインテリ、ズヴォニミール・ボバン(ACミラン黄金期を支えた元クロアチア代表の名手/編注)の表現力に豊んだ多才性……。

 そのすべての技術、身体能力、精神はダルマチアという、1平方メートルにおける才能の取れ高が、おそらく最も多い地域で鍛え上げられた。

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