久保建英が実感した「一心同体」。雷鳴轟く激戦制した日本、U-20W杯で再び世界へ

2018年10月29日(Mon)14時34分配信

text by 舩木渉 photo Getty Images
Tags: , , , , ,

いつもと何かが違った久保建英

 何かから解き放たれたような印象さえあった。ピッチから引きあげてくる際、たまたま我々メディアの前を通りかかった久保は、珍しくハイテンションで扉をくぐってきたのである。

 さらに自身がアシストした2点目のゴールを振り返る中でも、「いつも自分は〇〇選手ってつけているんですけど、今日だけはちょっと」と前置きして、スコアラーの宮代のことを「宮代選手」ではなく「大聖」とファーストネームで呼び始め、1人称も「俺」になった。彼の中で何かが弾けた試合だったのかもしれない。

 そんなスマートなイメージの久保も、ピッチの上では泥臭く戦った。とにかく走って、走って、チームのために戦う姿勢を存分に見せた。

 ちょうど1年前、U-17ワールドカップが開催されていたインドで久保に「『戦う』という言葉の意味をどう考えるか」と質問したことがある。彼は次のように答えた。

「人それぞれあると思うんですけど、自分の『戦う』は、1つは『後悔しない』というのは大きいですね。『あの時やっておけばよかった…』みたいなのは絶対にあっちゃいけないと思います。でもやっぱり戦うと言っても、球際だったりというのはありますけど、自分はしっかり逃げずに、自分と向き合って、『相手に負けていないな』というのを自分の中で試合が終わった後に感じたい。

仕掛けるところは仕掛けて、自分の方が相手より優っているというのを見せることが、『戦う』ということ。代表に選ばれているということは、やっぱり誰でもできるようなプレーではなくて、1人ひとり特徴を持っていると思うので、その特徴を存分に出すことが自分にとっての『戦い』です」

 そして今、再び同じ問いを久保にぶつけてみると、少し変化した彼の考え方を垣間見ることができた。

「最終的には勝つってことが大前提なんですけど、その中でも、この仲間とやって、もし仮に負けたとしても後悔はしないなっていう終わり方を出来るチームが、やっぱり戦えるチームなのかなという感じですね」

 1年前は「自分」や「個人」にフォーカスしていたが、今はより「チーム」に目が向いている。「完成形ではないと思いますけど、(戦えるチームに)なっているからこそ今日のような試合ができたんだと思う」と力強く語る久保からは、チームの中心選手としての自覚や責任がにじみ出る。

「ちょっとハイライトとかを見ても、(齊藤)未月くんなんかがすごく絡んでいたり、(谷)晃生のビッグセーブがあって、苦しい時間帯があって、(ボールを)取りきってくれると前も頑張ろうとなるので、そこは一心同体だと感じますね」

1 2 3

新着記事

↑top