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フランスリーグはスター選手が来るのに輸出国? 輸入国ではない理由と五大リーグでの位置付け

text by 小川由紀子 photo by Getty Images

欧州トップリーグを目指す足がかりとなるフランスリーグ

 とくに世界各国で大人気のプレミアリーグにいたっては、TV放映権料だけでフランスリーグの年間総収入の2倍以上、スペイン、イタリアでも、フランスの全収入以上の利益を放映権料から得ることができている。

 クラブが一番予算を使うのが、選手の移籍金やサラリーだ。つまり、年間の収入が多ければ多いほど、選手獲得にかける金額を上げることができ、逆の場合はここを削るということになる。
 フランスリーグでは、パリ・サンジェルマンやマルセイユ、リヨンといった予算の大きいクラブ以外は、選手獲得の費用は最小限にとどめ、逆に放出で得る移籍金を重要な収入源にする、というのが鉄則となっている。

 金銭面以外の理由としては、フランスリーグが選手にとって目指すべき最終地点、頂点的な位置づけでないという実情だ。

 海外でのステップアップを志す選手が目指しているのは、やはりプレミアリーグやリーガ・エスパニョーラ、近年はやや後退気味とはいえ老舗のセリエAだ。
 レベルや格に加え、これらのリーグは世界でもっともテレビ放映されていることから、人気・知名度も高く、おまけにプレミアリーグなどはサラリーもダントツに高いという魅力もある。

 フランスリーグは、欧州外、あるいは、欧州でも五大リーグ以外の国の選手がトップリーグを目指す上での「足がかり」になりがちで、ロナウジーニョも21歳でブラジルからフランスへ渡り、パリ・サンジェルマンで2シーズンを過ごしたのちバルセロナへ巣立った。

 外国人選手だけでなく、自国フランス人選手であっても、リーグアンのトップクラブに到達するだけでは満足しない。国内で結果を出した後は、国外のさらに上のリーグを目指す。

 カリム・ベンゼマがリヨンからレアル・マドリーに羽ばたいたように、PSGで現在2シーズン目を送っているキリアン・エムバペも、そのうち国外へ巣立っていくことだろう。

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