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森保J、キルギス戦先発サブ組の通信簿。杉本は失格、初招集の山中は主力組入りの可能性も

text by 編集部 photo by Shinya Tanaka

日本代表
キルギス戦に挑んだ日本代表のメンバー【写真:田中伸弥】

【日本 4-0 キルギス キリンチャレンジカップ2018】

 日本代表は20日、キリンチャレンジカップ2018でキルギス代表と対戦し4-0と勝利した。

 森保一監督は同試合で、16日に行われたベネズエラ戦から先発11人を変更。代表初招集を受けた山中亮輔、追加招集の杉本健勇や守田英正といった面々がスタメンに名を連ねたのである。これらの選手は、森保ジャパンの中ではいわゆる“サブ組”に値する。そのため、来年1月に開幕するアジアカップに向けても、キルギス戦でのアピールは必須となるのだ。そんな彼らの出来はどうだったのか。そして、アジア杯メンバー入りの可能性はどれほど残されているのか。まずはディフェンス陣からチェックしていきたい。

 この日、GKを含め日本代表のディフェンス陣に大きな仕事はほとんど回ってこなかった。だが、GK権田修一はロングフィードの処理で安定感あるプレーを披露し、思い切りの良い飛び出しも光った。そのため、怪我による東口順昭のコンディション面、そして、16日のベネズエラ戦でシュミットが輝きを放ったことを考慮しても、それまで東口>権田>シュミットという序列だったものが、今では3選手が肩を並べる状況に変わったと言ってもいいだろう。正GK争いはより一層激しさを増したに違いない。

 CBの三浦弦太、槙野智章らのキルギス戦での出来を評価するのは難しいが、両者は冨安健洋、吉田麻也らのバックアッパーという牙城を崩すことはできないだろう。また、今シリーズでは招集を受けていないが、鹿島アントラーズの昌子源が代表復帰するとなると、それぞれの立場は大きく変化する。吉田のスタメンは当確とし、冨安、昌子のどちらかは控えに回ることが確実。そして、もう1枠のバックアッパーには、チームのムードメーカーであり経験も豊富な槙野が入ると思われる。そうなれば、三浦は必然的に代表落選という形になるだろう。

 そんなディフェンス陣で唯一アピールに成功したのが山中だ。同選手は試合開始わずか2分で先制ゴールを奪うと、その後も持ち味である果敢な攻め上がりで前線に厚みを加え、チャンスに絡み続けた。長友佑都のアジア杯出場が微妙な状況となっている中、左SBのファーストチョイスに山中の名が挙がってもおかしくはないほどの出来を、キルギス戦では披露したと言えるだろう。同ポジションを務める佐々木翔より序列で上回った可能性は非常に高い。

 続いては中盤。2ボランチの守田英正、三竿健斗のパフォーマンスは決して悪くはなかった。しかし、主力メンバーに名を連ねるほどかと問われればそうではないのが事実。柴崎岳、遠藤航のコンビは不動であり、そこに森保監督からの信頼が厚い青山敏弘が加われば、自然に序列は下がってしまう。ただ、控え組としては優秀な人材なのは間違いない。

 ロシアワールドカップで主力として活躍した原口元気も、中島翔哉、南野拓実、堂安律ら若い力の前に踊り出ることは難しいだろう。ただ、大舞台でのプレーを経験済み、守備面でも貢献できる点を考えても、今の日本代表に必要な選手ではある。伊東純也はキルギス戦で何度か決定機を逃したが、スーパーサブとしては非常に貴重な存在。NMDの壁を崩せずとも、アジア杯で切り札としての役割を果たすことは可能ではないだろうか。

 一方で不安なのが大迫勇也の代役だ。この日、先発出場を果たした杉本と北川航也のパフォーマンスは高評価を与えるに値しない。とくに前者は、アジア杯行きの切符を掴むことは不可能に近いだろう。キルギス戦の出来を見る限り、アジアの厳しい戦いに身を投じるのは無謀だと思われる。後者も、得点を奪うことはできず、抜群の存在感を放つことは不可能だった。杉本よりは序列が高いだろうが、アジア杯メンバーに招集されるかどうかは、当落線上と言ったところだろう。

 アジア杯開幕までおよそ2ヶ月。森保監督が決戦の地・UAEに連れていくメンバーは誰になるのだろうか。

【了】

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