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Jリーグ 5年前

ストイコビッチにイエローカードを出された審判 -小幡真一郎インタビュー-

text by 玉利剛一 photo by Koichi Tamari

「アジアではイランの主審がレベルが高いとされている」

-そうしたトップレベルの外国人主審と比べて日本人主審は何が違いますか?

「現時点で、アジアではイランの主審がレベルが高いとされています。世界大会の重要な試合で笛を吹いている。彼等のレフェリングはジャッジに説得力と安定感がある。ゲームの状況に応じて、ある幅の基準で判定し続けることができる。難しいシーンを正しく判定し、ゲームコントロールできるんです。サッカー理解が大切だと思っています。つまり、両チームの戦術を理解し、選手の特徴を理解し、ゲームの流れを理解する能力が高いと思います」

-その視点で考えれば元選手をスカウトするというアプローチはないですか?ジュニアユースからユースに上がれなかった子など選手としても高い能力を持っている子を審判に転向させるとか。

「転向は審判の魅力を増やさないと難しいでしょうね。日本は審判を大切にしないから。日本だけではないですが、素晴らしい判定やコントロールをしても誰からも取り上げられないけど、ミスした時だけクローズアップされる。まずは審判のトレーニング風景を見せたり、ルールの解釈を広めたり、情報発信が大切だと考えていますい。昔からの伝統というか……審判って黒子に徹するという文化があるけど、そういうのはもったいない」

-審判の一度貼られた負のレッテルが何年も拭えない現状についてどう思われますか?

「そういう職種ですよね(笑)。ここはずっと改善されない部分。審判に対するリテラシーをあげるのは審判をやる機会が通常ないこともあるので難しい。だからこそ、良いところの情報発信が必要じゃないのかなと思います」

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