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ドルトムントの強さは本物か。研究される“ロイス・システム”。それでも退けたプロビンチャの難敵

text by 本田千尋 photo by Getty Images

「結果を計画することはできない」

 このドルトムントの強さは本物なのだろうか。相当に穿った見方をすれば、ピシュチェクのゴールは、勢いがもたらしたラッキーパンチと取れなくもない。また、ゲッツェが厳しくチェックされ、ロイスにもなかなかスペースが与えられないなど、“ロイス・システム”の研究は進んでいる。

 今回のマインツだけでなく、他の対戦相手も対策を進化させていくだろう。アルカセルは、ジョーカーとしては奇跡的なパフォーマンスを見せているが、まだ先発起用では10月のCLモナコ戦の1点に留まっている。

 もちろんファブレ監督は現状に満足していない。試合後の会見で、さらなる発展の必要性を語った。

「まだまだ学ばなくてはならないことは多い。技術、戦術をさらに突き詰める必要がある。さらにトレーニングを重ねる必要がある」

 首位を快走しながら、決して妥協することなく、ディティールを突き詰めていく。そうしたスタンスこそが、本物の強さなのかもしれない。スイス人指揮官は「結果を計画することはできない」と語った。フットボールの世界では、今日の勝利は明日の勝利を保証しない。今首位に立っているからと言って、最終節でもトップの座にいるとは限らない。

 同日、バイエルン・ミュンヘンは、ホームで昇格組のフォルトゥナ・デュッセルドルフに3-3のスコアで引き分けた。不振を極める昨季王者。今季はマイスター・シャーレを掲げる絶好のチャンスだ。だからこそ、1試合1試合を集中して戦っていく必要があるのだろう。

(文:本田千尋【ドイツ】)

【了】

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