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日本代表 5年前

日本代表のW杯8強入りが難しい理由。歴史を変えるには? 2つの選択肢と森保Jが歩む未来【西部の目】

シリーズ:西部の目 text by 西部謙司 photo by Shinya Tanaka

カタールへの青写真

 アジアカップでは、真剣勝負の中でロシア・スタイルの継続と進化、弱点克服がどの程度できるかを確認することになる。アジアカップが終われば、次は東京オリンピックへ向けての準備。五輪後は五輪世代とA代表を融合させ、より先鋭化した長所と弱点の補強によってカタール2022へ臨むことになる。現状では特化型で押し切るのは無理だろうから、日本なりにあらゆる状況に対応する力も養わなければならない。

 アジアカップでは現時点での最強メンバーを編成するだろうが、その後は間口を広くとって人材発掘にあたるはずだ。チームとしてのスタイルはある程度固定しながら、幅広く人材をテストしていく。代表チームとしては標準的な強化策になる。

 アタックラインに関しては大迫、中島、南野、堂安で1つの答えはすでに出ているが、彼らと競争し、とって代われる人材は必要である。弱点の高さについては、吉田麻也と組むセンターバックとして冨安健洋が台頭した。三浦弦太、槙野智章、昌子源、植田直通など候補同士で切磋琢磨しながら、高さがあってポゼッションでも力を出せるDFを揃えなければならない。空中戦対策として3バックも用意すると思う。

 基本的にはパスワークによるボール支配なので、中盤をオーガナイズするとともに、4人のアタッカーを後方支援できるMFが必要だ。ただそれだけでなく、守備のときに相手のカウンターを未然に防げるMFの存在が日本の生命線になる。中央2枚の構成と実力はアジアカップで試される重要項目だ。

 森保監督の過去の実績からいって、チームがまとまらない、実力を発揮できないといった自滅は考えにくい。ベスト16相当の力はキープできるはずなので、ベスト8のための布石をいかに打てるか、プラスアルファをもたらせられるかが、カタールワールドカップへのチャレンジになる。

(文:西部謙司)

【了】

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