これが真のハリル流。日本代表と真逆の物語を描くナント。デュエルで守備を固め、得点は倍増

2018年12月29日(Sat)11時00分配信

text by 小川由紀子 photo Getty Images
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日本代表解任直後とは全く異なる表情に

 こういう展開の試合の場合、だいたい60分頃に守っている側の集中力の限界が訪れがちだ。予想通り、58分にユリアン・ドラクスラーにネットを破られた。ところがマルコ・ベラッティがゴールラインぎりぎりで救ったアシストのパスが空中ですでにラインを割っていたことがVARで確認されたため、これは無効となって命拾い。

 しかしその後間もない68分、2日前にバースデーを迎えたばかりのエムバペがポスト際からティーンエイジャー卒業後初ゴールを決め、これが決勝点となってPSGが1-0で逃げ切った。

 試合の後、会見場に現れたハリル監督の様子は、ちょっとした驚きだった。数ヶ月前に見た時とはガラリと変わっていたからだ。

 最後に会ったのは、日本代表監督を解任された後、日本で会見を行って帰ってきた直後だった。

 その時のハリル監督は、表情はうつろで、放心状態に近く、「一体何が起こったのかわからない。誰か説明してくれ」と弱々しい声で繰り返していた。

 今のハリル監督は、前向きで、充実している様子だ。会見でも笑顔を見せたり、ジョークを飛ばすリラックスぶり。

 元来負けず嫌いだから、「負けたとはいえ内容的には健闘したのでは?」という意見は、「いや、こういう試合に勝つ”コツ”がまだつかめていない」ときっぱり否定していたが、「冬のメルカートでの方針は?」との質問には、

「ああ、サンタクロースが来て、いろいろ集めて行っちゃったからねぇ。彼が僕の選手たちをさらっていかないことを祈るよ。まあこのメルカートにはあまり期待はしていない。PSGがなんか袋を落っことしていってくれたらありがたいんだが…」と答えて報道陣から笑いをとった。

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