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ドイツ最高のリベロへ。長谷部誠が目指す未知の領域。狙うはCL、衰えを補完する経験と知性

text by 本田千尋 photo by Getty Images

地元誌が選ぶセンターバック部門で1位を獲得

 長短織り交ぜたパスで攻撃を組み立て、試合の流れを把握し、敵のプレーの先を読んでボールを奪う。試合中には要所で味方に指示を出し、プレーだけでなく言葉でもチームを引っ張る。“魅惑のトライアングル”の攻撃力を引き出すため、守備の要としてフランクフルトの戦いに貢献した。

 このように攻守両面で“らしさ”を発揮したフランクフルトは、3-1でフライブルクに快勝。後半戦の初戦を白星で飾った。4位のRBライプツィヒとの勝ち点差はわずか1。来季チャンピオンスリーグ出場圏内は手の届く距離にある。

 そのちょうど前日の1月18日、35回目の誕生日を迎えた長谷部。昨年の12月にはフランクフルトとの契約を2020年まで延長した。長谷部によれば、クラブ側は「僕がやりたいって言えばいくらでも契約するよって言ってくれている」のだという。

『キッカー』誌の選ぶセンターバック部門のランキング1位にも輝いた。ドイツのスポーツ専門誌による評価に対して、長谷部は「僕は典型的なセンターバックではなくてリベロというポジション。本当のセンターバックとしての評価とはちょっと違う」と謙遜しつつ、「前半戦を通して、ブンデスリーガでもヨーロッパリーグでもコンスタントにプレーを評価してもらえたことは非常に嬉しいですし、もちろん自信にはなる」と語る。

「ただ僕が今思っているのは、前半戦だけではなくて、1シーズンを通してそういう評価を得られると、真の評価になる。だからこの後半戦は僕にとって、また新たなチャレンジかなって思います」

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