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「ドロドロになりながら」。宇佐美貴史は泥臭く戦うファイターに。泥にまみれた先に新たな未来

text by 本田千尋 photo by Getty Images

完璧だったライプツィヒのアプローチ

「ダメージ」を食らったフォルトゥナは、すっかりライプツィヒのサッカーに呑み込まれ、立て続けにゴールを奪われていく。

 9分、ハルステンベルクの縦パスをブロックの間で受けたイブラヒム・コナテが、力強いドリブルで突破を図る。寄せるカーン・アイハンを交わし、宇佐美を振り切り、アルフレッド・モラレスが追い縋るも届かず…重戦車のような黒人アタッカーにゴールを許した。そして16分、コンラット・ライマールからの斜めのパスを、ペナルティエリアの左側で受けたポウルセンに決められ、リードを3点に広げられる。

 宇佐美は「前半の3失点が全てだと思います」と総括する。

「2失点目も、僕自身対応も甘かったですし、あそこでファールで潰しておけばとか、もちろん色々な要因がありますし、相手の流れの時に3点失って、ゲームを終わらせられてしまったという感じです。総じて力負け感は否めないですね。やっぱりこう、ダメージを払拭できなかったです。自分たちの精神的なダメージと、殺伐とした空気となったスタジアムの雰囲気を、チーム全体として拭い切れなかった」

 ライプツィヒに見せつけられた埋め難い力の差。3点差を付けられた後でも、残り時間は70分以上あったが、覆すことはできなかった。敵のスタイルに圧倒されただけでなく、同時にフォルトゥナのサッカーは、十分に研究されていたようだ。

「僕らがボールを奪った後のカウンターの、もう1本目のパスのところを潰しに来ている感じはすごくありました。このバイエルンやドルトムントとやって勝ち点を得てきたサッカーに対しての、向こうのアプローチの質がすごく高いとは試合をやりながら感じましたね。僕らの強みでもあり、武器でもあるルケバキオのところも、上手く対応していたなと感じました」

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