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「ドロドロになりながら」。宇佐美貴史は泥臭く戦うファイターに。泥にまみれた先に新たな未来

text by 本田千尋 photo by Getty Images

愛情が芽生えたクラブのために

宇佐美貴史
「まずはチームのために」。宇佐美は愛情の芽生えたクラブのために持てる力のすべてを注ごうとしている【写真:Getty Images】

 また、目の前の残留という目標だけでなく、宇佐美は、クラブの未来のことを慮っている。後半戦の目標を「コンスタントに試合に出場し続けること」としながら、「もちろんチームの目標を達成するために貢献したい」と語る。

「その中で自分自身も結果を追い求めたいし、多くの試合で勝ちたいですね。勝った時のフィーリングって本当に気持ちいいので。みんなで勝って、みんなで喜べる試合を努力して作っていく中で、最後、とりあえず昇格チームは1年目にまずは残留しないと。そうすることで、色々なクラブのことも変わっていくと思います」

 宇佐美は今、異国の地で出会い、愛着の芽生えたフォルトゥナのために、持てる力の全てを注ごうとしている。泥まみれになってでも、目の前の勝利を手繰り寄せようとしている。

「まずはチームのために、チームが残留するために、チームの目標のために、自分はいるわけなので、そこは忘れずに愚直にやっていきたいと思います」

 ブンデスリーガは甘くない。「過信」が「脳裏に掠める」だけで、大敗を喫してしまうことがある。残留を目指すフォルトゥナにとって、最後の最後まで、茨の道は続くだろう。

 だからこそ、この困難なミッションをやり遂げた時――。

 フォルトゥナにとって、宇佐美にとって、新たな未来が開けるはずだ。
 
(取材・文:本田千尋【デュッセルドルフ】)

【了】

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