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CLでもソン・フンミンは輝く! ケインら不在も、存在感を引き立てる司令塔との関係性

text by 小澤祐作 photo by Getty Images

先制弾を生んだ背番号7の動き

 もちろんソン・フンミンが輝く舞台はリーグ戦だけではない。欧州No.1クラブを決める大会であるCLでも同選手は存在感を放っている。

 グループリーグ6試合では得点こそ奪えなかったが、現地時間13日に行われた決勝トーナメント1回戦、対ボルシア・ドルトムント戦でついに同大会初得点を挙げた。

 ソン・フンミンはルーカス・モウラとともに2トップ組んだ。しかし、前半は思うようにボールを受けることができず、シュートもわずか1本しか放つことができなかった。

 しかし、後半立ち上がり早々。試合を動かしたのはやはりこの男だった。

 47分、ヤン・フェルトンゲンが左サイドでボールを持つと、正確なクロスを中央へ供給。これをダン・アクセル・ザガドゥの背後を取ったソン・フンミンが右足でうまく合わせ、ゴールネットを揺らした。

 フェルトンゲンの絶妙なクロスは見事だった。しかし、注目してもらいたいのはボールを受ける前のソン・フンミンの動きだ。

 背番号7はザガドゥにマークに付かれながらペナルティエリア内へ侵入。そのため、この時点ではクロスに対してアクションを起こすことは不可能だった。だが、フェルトンゲンがボールを持った瞬間、ソン・フンミンはまるでそこへボールが来ることを分かっていたかのようにザガドゥから距離を置いた。

 マークに付いていたザガドゥはボールホルダーに目線が行っており、ソン・フンミンの動きを見てはいなかった。そして背番号7は最終的にフリーでシュートを放つことができたわけだ。

 ソン・フンミンの見事なゴールで先制に成功したトッテナムはその後、フェルトンゲン、フェルナンド・ジョレンテにもゴールが生まれ、3-0でドルトムントに快勝を収めた。ベスト8進出へ向けて十分すぎる勝利となった。

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