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PSGが犯した自滅行為。「カンプ・ノウの悲劇」から2年、何も学んでいないフランス王者

チャンピオンズリーグ・ベスト16の2ndレグ、パリ・サンジェルマン対マンチェスター・ユナイテッドの一戦が現地時間6日に行われ、1-3でアウェイチームが勝利している。PSGはまたしてもベスト8進出への大チャンスを逃した。あの「カンプ・ノウの悲劇」から2年、フランス王者は、何も学んでいなかった。(文:小澤祐作)

text by 小澤祐作 photo by Getty Images

最大のチャンスを逃す

アンヘル・ディ・マリア
PSGはホームで1-3の敗北を喫し、CLベスト16敗退となった【写真:Getty Images】

「またか…」といった印象だ。チャンピオンズリーグ・ベスト16の2ndレグ、対マンチェスター・ユナイテッド戦。パリ・サンジェルマン(PSG)は1stレグをアウェイで2-0と先勝しておきながら、ホームで1-3の敗北を喫し、ベスト8進出を逃した。

 毎年「優勝候補」に挙げられながら、満足いく成績を収めることができない同クラブ。今回の敗戦でPSGは3季連続ベスト16敗退という結果になっている。

 国内リーグでは無双中だが、彼らの目標はあくまでCLの制覇だ。にもかかわらず、過去5シーズンのなかで最高成績はベスト8となっている。もはや彼らはCL制覇を果たすほどのレベルにないと言わざるを得ないだろう。

 エディンソン・カバーニが万全な状態ではなく、ネイマールが不在だった影響は多少あるかもしれない。だが、離脱者による台所事情は対戦相手のマンチェスター・Uの方がよほど厳しかった。チームの核であるポール・ポグバは出場停止、アレクシス・サンチェスやジェシー・リンガードも負傷により、メンバーには入っていない。

 この日のアウェイチームのベンチメンバーにはタヒス・チョンやメイソン・グリーンウッド、アンヘル・ゴメスら若手選手が数多く入っていた。彼らは将来有望なプレイヤーだが、まだトップチームでの出場機会は乏しい。ましてやCLという大舞台でチームに変化を与えられる選手ではないのは明確だった。

 PSGにとってはまたとないチャンスだった。主力選手に負傷者が相次いでいる相手クラブに対し、ホームチームはほぼベストメンバーで挑むことができていたからだ。だが、フランス王者はこのチャンスを自分たちで消した。

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