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PSGが犯した自滅行為。「カンプ・ノウの悲劇」から2年、何も学んでいないフランス王者

text by 小澤祐作 photo by Getty Images

立ち上がりの失点、チャンスもことごとく…

 試合開始からわずか1分、ティロ・ケーラーがバックパス。しかし、これを狙っていたロメル・ルカクに拾われ、簡単にゴールネットを揺らされた。この自滅行為はPSGにとって最も痛かった。

 その後、ホームチームはファン・ベルナトの得点で前半のうちに追いつくことができた。しかし、そこで立て直せないのがPSGの弱さだ。

 30分にはマーカス・ラッシュフォードのミドルシュートをジャンルイジ・ブッフォンが弾き、こぼれ球にルカクが詰め1-2とされたPSG。前半はこのまま終了したが、何かが起きそうな予感はすでに漂っていた。

 後半に入り、PSGは長い時間ボールをキープすることができた。チャンスも決して少なかったわけではない。ただ、ピッチコンディションの影響があったのか、フィニッシュに繋げる最後の最後でミスが頻発。得点を奪うことができない。

 とはいえこの時点で2戦合計スコアは3-2。まだ1点リードしている状況だった。PSGは焦らずゆっくりとした攻めを見せる。マンチェスター・Uもしっかりとした守備ブロックを作り、簡単には攻めさせない。お互い、激しい攻防戦を繰り広げた。

 83分にはPSGにビッグチャンス。ダニエウ・アウベスからのパスを受けたキリアン・エムバペがGKと1対1の場面を作るが、足を滑らせシュートまで持ち込めず。リードを広げられぬまま、試合は終盤へ突入した。

 そして後半AT、ディオゴ・ダロの放ったミドルシュートがプレスネル・キンペンベの手に当たったとして、マンチェスター・UにPKが与えられた。これをラッシュフォードが落ち着いて決め、試合は1-3で終了。

 PSGは試合立ち上がりに自分たちのミスから先制点を与え、相手にわずかシュート5本しか打たせないなど試合のペースを握っていたにもかかわらず、チャンスをことごとく逃す。こうした自滅行為が敗退を招いた。

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