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香川真司 5年前

こだまする『シンジ・カガワ』のチャント。香川真司の“再生”は始まった。心も信頼も掴むAT劇的弾

text by 本田千尋 photo by Getty Images

「チームに与える影響も含めて大きい」

 すると直後、中盤からのロングボール一発で、モリケ・フォファナに右サイドを抜け出され、ベシクタシュは失点してしまう。ここ数試合の不安定な守備は相変わらず。手にしたはずの勝利が逃げて行こうとする、嫌な流れを目の当たりにした。だが、香川は、「チャンス」が来ると信じ続けた。自分の役割は「チームを勝たせること」。そう考えている。このまま試合をドローで終わらせていいわけがなかった。

「(香川投入時のスコアは)2-1だったので、入ってすぐに追い付かれたっていうのは、非常に難しいシチュエーションでしたけど、15分あったので、必ずチャンスはあるだろうな、と。それが最後に来ましたけど、それを信じ切れたことは非常に良かったと思います」

 信じた末に、最後の最後に訪れた「チャンス」。確実にモノにした香川は、「1つ非常に大きな自信に繋がる」と言う。

「(個で打開しようとしてゴールを)取り切るか取り切らないかっていうのは非常に大きくて、それを取り切ったっていうことは非常に、結果としても形としても、チームに与える影響も含めて、大きいのかなあと思います」

 ベシクタシュに期限付き移籍で加入して以来、定位置を確保し切れていない香川にとって、このコンヤスポル戦での“AT劇的弾”は、シェノル・ギネシュ監督、チームメイトたちから確固たる信頼を掴むために、大きなインパクトを残したに違いない。

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