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PSGは「恥を知れ!」怒り狂うパリジャン。またもCLで失態…もはや解決不能な弱さとは

text by 小川由紀子 photo by Getty Images

トゥヘル監督の采配にも疑問

トーマス・トゥヘル
マンU戦でのトゥヘル監督の采配には疑問の声も挙がっている【写真:Getty Images】

 ネイマールとカバーニが不在で、オールド・トラッフォードでユナイテッドに挑んだ第1レグは、「負けても恥ではない」「失うものはない」と無心で頑張れば良かった。

 しかし第2レグでは立場は逆転。10人の負傷者を抱えたユナイテッドの方が、「ホームでの初戦を2点差以上で敗れて勝ち抜けたチームはない」というミッション・インポッシブルに挑む側になった。

 その彼らに、「あと1点取られたら負ける」という状況まで追い詰められたとき、2年前の『カンプ・ノウの悲劇』が、「大逆転は起こりうる」というトラウマ作用になってもおかしくない。

 トゥヘル監督の采配を疑問視する意見もある。1戦目と同じ先発イレブンを送り出したトゥヘルは、1-2で迎えた後半戦、挽回の兆しがない状態でも、切り札となる解決策を投じなかった。

 元フランス代表でRMCラジオのコメンテーター、クリストフ・デュガリーは、「トゥヘルはもっと早くカバーニを投入すべきだった。エムバペをサイドにおけば、マッチアップするルーク・ショーは苦戦していた」と指摘。

 実際、カバーニがダニエウ・アウベスに代わってピッチに上がったのはアディショナルタイムに入ってからだった。がしかし、カバーニの12日のディジョン戦の欠場が発表されたことを見ても、まだリスクを犯せる状態ではなかったのかもしれない。

 さらにはフロント陣の責任問題にまで発展している。レキップ紙のヴァンサン・デュルク記者は、「2011年から主導権を握るカタール陣だが、莫大な資金を投じているにもかかわらず、これまで国内でのトロフィー以外は何も達成していない。抜本から見直す時期に来ているのかもしれない」と書いている。『“雇われ会長”ナセール・アル・ケライフィ限界説』だ。

【次ページ】選手放出も視野に

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