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コロンビア代表はピリピリムード。日本メディアの取材拒否…双眼鏡で“スパイ”探しも

text by 編集部 photo by Getty Images

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選手たちの円陣から離れて双眼鏡で会場の周囲を警戒するコロンビア代表スタッフ【写真:舩木渉】

 コロンビア代表は臨戦態勢だ。20日には追加招集組も全員が揃い、横浜市内で練習を行った。

 16時半開始とアナウンスされていた練習は、25分ほど遅れてスタート。冒頭15分間のみ報道陣に公開され、軽いランニングや両ペナルティエリア間を15秒で駆け抜けるダッシュを数本こなした時点で非公開に切り替わった。

 時差ぼけの影響で前日の練習を回避したと伝えられていたMFハメス・ロドリゲスもスパイクを履いて練習に参加。開始前にはキャプテンのFWラダメル・ファルカオと談笑する姿も見られた。なお負傷者の代わりに追加招集されたGKアルバロ・モンテーロ、MFセバスティアン・ビジャ、FWジミー・チャラの3人は20日早朝に日本に着いたばかりのため室内での別メニュー調整だった。

 予定より少し遅れてスタジアムに到着した選手たちがリラックスした様子だった一方、スタッフ陣はピリピリムードを漂わせていた。バスから降りるや否や、日本の報道陣に「ここにいないでくれ」と会場入り口からロープで区切られたスタンドに上がるよう指示を出す。

 さらに練習が始まる前にはスタッフが大きな双眼鏡を使って、会場の周囲から覗き見る“スパイ”がいないか入念にチェックする姿も確認できた。そのスタッフはピッチの周囲を歩き回って、壁や門の隙間からも覗ける場所がないか丹念に調べていた。他にもコロンビアからセキュリティスタッフを連れてきているとの情報もあり、日本戦に向けて厳戒態勢を整えている。

 日本の報道陣はカルロス・ケイロス監督と挨拶を交わせただけで、控え室もコロンビアメディア以外は立ち入り禁止に。練習前にMFウィルマール・バリオスとFWドゥバン・サパタが取材に応じたものの、コロンビアメディアに対するインタビューのみで、日本メディアの参加は禁じられた。

 あるコロンビア人記者は「リベンジだ」と、昨年日本に敗れたロシアワールドカップでの一戦を意識する一方、「親善試合であり、ケイロス監督の初めての試合で注意深く見極める必要がある。難しい展開になるだろうし、今後に向けて非常に重要な試合」と冷静な見方も示していた。

 コロンビアからは複数のテレビ局を含む多くのメディア関係者が来日しており、母国での注目度も高い様子。「ハメスも直近の試合でハットトリックをしてとても調子が良い。昨日は練習をしなかったが、今日はスパイクを履いていたので日本戦は問題なく出られるはず」と先の記者もエースの出場に太鼓判を押す。

 ワールドカップの日本戦をコンディション不良で欠場した10番が覚醒すれば、森保ジャパンにとって大きな脅威となる。22日の再戦は両国ともに“ガチ”のぶつかり合いを期待できそうだ。

(取材・文:舩木渉)

【了】

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