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泣きっ面に蜂…チェルシーを襲う絶望の数々。しかし、復活の芽はある! 鍵は“ランパード”【粕谷秀樹のプレミア一刀両断】

シリーズ:粕谷秀樹のプレミア一刀両断 text by 粕谷秀樹 photo by Getty Images

他クラブがうらやむ逸材は豊富

 さらに、市場の噂が癪に障る。エデン・アザールがレアル・マドリーに、エンゴロ・カンテはパリ・サンジェルマンと、屋台骨を支える2選手が今シーズン限りで退団するとも伝えられはじめた。

 なりすましのSNSを大手報道機関がデカデカと扱う時代だ。移籍関連のニュースなどおとぎ話に過ぎないと聞き流せばいい。ただ、時期が時期だけに、アザールとカンテを同時に失う危険もゼロとはいえない。サポーターにも不安が募る。

 しかし、物事は考え方次第だ。

 今年の夏から二年も補強できないのなら、その期間を利用してクラブの在り方そのものを変えていけばいい。解説やコラムで何回も指摘してきたように、チェルシーの財力ではビッグスターのプライドをくすぐれなくなってきた。もはや経済的なアドバンテージはマンチェスター・シティ、パリSGに譲らざるをえない。それならば、カネではなく頭を使おう。補強禁止の苦しみを、若手の積極登用で解消するプランが浮上する。

 アザールもカンテも、そして冒頭に挙げたD・ルイスやM・アロンソも、移籍を希望する者を無理に引き留める必要はない。彼らを放出すことによって得られる莫大な移籍金は、二年後の夏までプールするか、あるいはコプハムにある練習場のグレードアップに使ってもいいだろう。

 もちろん、主力4選手を一気に失うリスクは大きい。大きすぎるかもしれない。しかしチェルシーには、他クラブがうらやむ選手が数多く存在する。例えばカラム・ハドソン=オドイ。今年1月、バイエルン・ミュンヘンから公式オファーが届き、最終盤を迎えたいまは出場機会が増えている。また、3月末のインターナショナル・ウィークにはイングランド代表にも初選出されるなど、勢いのある右ウイングだ。

 ルベン・ロフタス=チークの才能も、誰もが認めている。イングランド代表のガレス・サウスゲイト監督が「末恐ろしい逸材」と惚れ込み、昨シーズン終盤にローン移籍していたクリスタルパレスのロイ・ホジソンも、「スーパースターになれる器だ。彼のポテンシャルはマンチェスター・ユナイテッドのポール・ポグバにも匹敵する」と称賛した。

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