ウイニングイレブン日本代表選手の実像。“ゲームに人生を救われた”。eスポーツを文化に

ビデオゲームをスポーツとして捉えるeスポーツが近年、認知度を高めている。その中で、サッカーゲーム『ウイニングイレブン』のプロ選手として活躍している「かつぴーや」こと井上克洋に話を聞いた。自らの人生を救ったeスポーツへの思いとは。(取材・文:玉利剛一)

2019年03月30日(Sat)10時20分配信

text by 玉利剛一 photo Koichi Tamari
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世界一を目指したい。取り戻した活力

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プロライセンスを持つeスポーツ選手、「かつぴーや」こと井上克洋【写真:玉利剛一】

 人間関係のトラブルを理由に新卒入社した会社を半年で退社。自分が何をしたいのか分からないまま実家で悶々とした日々を過ごしていた。

 モチベーションなく入社した会社に未練はなかったが、学生時代から漠然と生きてきたことに対する虚無感を耐えるには一人で過ごす時間が長すぎた。まるで現実から逃げるように学生時代に好きだったゲームで潰す時間が増えていく。ただ、その選択が人生を再起動させることになる。

「無職期間中は自分の存在意義について考えて落ち込むこともありました。社会人として、人として、自分の価値って何なんだろうって。特にやりたいこともないし。そんな時に学生時代に好きだったウイイレの新作が発売されて。時間があるから上手くなるんですよ(笑)。オンライン対戦の結果で自分のレベルを示す数値が上下するんですけど、勝ちまくって気が付けば日本5位くらいまでになって。この時ですね。初めて人生の目標が出来たのは。もっと上手くなって日本一……いや、世界一を目指したいって」

 井上克洋。プレーヤーネーム「かつぴーや」。プロライセンスを持つeスポーツ選手である。ウイニングイレブンによって日々の活力を取り戻した彼は数々の大会で好成績を残す。

「自分でもこれまでは気が付かなかった」という研究熱心な性格が覚醒。週末は地元クラブであるガンバ大阪の試合を観戦してウイニングイレブンで使えそうな戦術のヒントを探し、大会では対戦相手を研究して「初見では対応できない」システムで試合に挑むなどオリジナルなスタイルを築き上げた。

 親や友人から無職であることを非難された時期は過ぎ、現在ではイベントやメディアに引っ張りだこの日々を過ごす。

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