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堂安律に直撃。オランダでどのように成長を続けているのか? 日々強まる対策を破るために

text by 本田千尋 photo by Getty Images

「休むんじゃなくて、トレーニングももっとハードにしようと思った」

 もちろんポジションはタダで手に入るものではない。「今年一悪いんじゃないかというくらいの出来だった」AZ戦の後で、堂安は、考えに考えた。

「試合終わってから、僕自身かなり考えました。これ(代表明けの連戦)をどうやって乗り越えていくかということもそうですし、初めてくらいじゃないかな、ああやって自分の取り組みを全て見直して、どうすればいいんだろうなというのを感じて。疲れた、と思って休むんじゃなくて、トレーニングももっとハードにしようと思いました。本当に、この前(AZ戦を)終えて考えたことは、待つんじゃなくて、こう、掴みに行く、っていう感じ。練習して練習してトレーニングして、待つだけじゃ意味がないので」 

 AZ戦の翌日には、自ら志願してサブ組の練習に飛び込み、コンディションを上げようとした。デ・フラーフスハップ戦の前日も練習後に居残って、試合前とは思えないくらいにシュートを打った。

「無理やり上げようと思って、というのが功を奏してかはわからないけど、今日も体はかなり動けていましたし、次の中3日もその調整でやろうかなとは思います」

 “荒療治”が功を奏したのか、AZ戦に比べれば、デ・フラーフスハップ戦での堂安はたしかに「かなり動けて」いた。相変わらずビルドアップに難のあるフローニンゲンは、ボールを保持することができず、デ・フラースハップに何度も決定機を作られたが、そんな劣勢の中でも背番号7は精力的にピッチ上を動いた。右サイドでボールに触ってリズムを生み出そうとし、中央に動いてはミドルシュートを打った。

 先制点が生まれたのは75分。堂安の縦への突破からだ。ペナルティエリアの手前、右でボールを貰った背番号7は、一瞬、中に行くそぶりを見せて縦に突破。「ニアにシュートを打った」。

「対峙している選手だけなら、どれだけ読まれていても、中に行ってシュートは打てますけど、2枚目の後ろの選手が見えていた。あの選手がもう完全に中で待っていたので、縦に行って。案の定誰もいなかったですし、ちょっとクロスのふりをしてニアにシュートを打ったんですけど、右足の精度も低くて。GKがこうやったら(クロスと読んで反応したら)枠に入るかなというのはあった。まあ、あれは良かったかなとは思います」

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