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バルサ、スアレスの“美弾”が生まれた理由。相手の力をも糧に、オブラクに触発された本能

text by 青木務 photo by Getty Images

オブラクの好守で奮い立ったのは味方だけではない

 10人となったアトレティコだが、勝利が必要なことに変わりはない。ディエゴ・シメオネ監督はサンティアゴ・アリアスに代えてアンヘル・コレアを投入。4-3-2の布陣で何とか攻めに出る意思を示した。

 後半は4-4-1でのライン形成に戻したが、アトレティコは全員がハードワークできるため推進力は生み出せる。ゴール前まで行けないまでも攻めに出るシーンは引き続き作った。バルサにボールを持たれ、走らされたのは確かだ。バルサは中央でパスを繋いでサイドを効果的に使い、外を見せておいて中も虎視眈々と狙っていく。それでも、アトレティコも4-4のブロックでしっかり対応できていた。

 58分、アトレティコはフィリペ・ルイスに代えてアルバロ・モラタを投入。サウールを左SBに移し、グリーズマンを左SHに、モラタが最前線に入った。アトレティコはセットプレーで惜しいシーンを作り、モラタもボックス内で何とか優位に立とうと奮闘した。

 また、守護神ヤン・オブラクが好セーブを連発したことも、試合を引き締める要因となった。多くのシュートを放たれながらも、スロベニア守護神は獅子奮迅のパフォーマンスを披露。数的不利でも堅く守れるアトレティコだが、オブラクがチームを奮い立たせていた。

 しかし、奮い立ったのはバルサの選手も同じだったかもしれない。

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