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マンU、バルサ戦大逆転も期待できる2つの理由。ホームで敗戦も今季最高の出来だった?

text by 内藤秀明 photo by Getty Images

堅守速攻が崩れた原因とは?

 アシュリー・ヤングはクロス精度が低調だった。この日11本もゴール前にクロスを供給したが成功率は0%。結果、地元紙『マンチェスター・イブニングニュース』から最低点の「1点」の評価をもらってしまう。

 一応フォローもすると、ヤングはボール奪取数が両チーム合わせて2位の9回を記録しており、守備面での貢献度は高かった。クロスが通らなかったのも、ジェラール・ピケを中心にバルセロナが見せた守備も素晴らしかったという見方もできる。彼らは90分通して集中力を維持して、本当にギリギリのところでクリアやシュートブロックを続けたのだ。

 一方でバルセロナのクオリティと比較すると、ユナイテッドの守備陣、特に試合序盤のホームチームの守備にはわずかながら粗があった。最終ラインに本職ではない選手がいたのだ。そうルーク・ショーだ。

 90分通してみると間違いなく素晴らしい活躍だったイングランド人DFだが、失点の場面では小さなミスを犯してしまった。リオネル・メッシの動きだしに気を取られてしまい、OGを誘発するヘッドを放つルイス・スアレスをフリーにしてしまったのだ。

 あとコンマ何秒か早くスアレスの存在に気づき、競りにいくことができていれば違った結果になったかもしれない。ただウルグアイ人のシュートは、出遅れたショーに当たって無常にもゴールに吸い込まれてしまった。

 しかしながらスアレスの動き出しのタイミングが異常に速かった上に、ショー自身も慣れないポジションでプレーしていたことを考えると、彼が悪いというより慣れないことをせざるを得なかったチーム状況そのものに問題があったとも言える。

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