琉球が貫く「攻めの姿勢」

「開幕から4連勝したあとなかなか勝ちきれず、今日も引き分けに終わったことに関しては、追いついた喜びよりも勝ちきれなかったという悔しさの方がかなり上回っています」と樋口監督は語る。

「何度か相手のブロックの中に侵入したり、ブロックを動かして間を作ったりしながらチャンスを生み出したんですが、最後の精度のところで軽いパスであったり軽いプレー、言い方を変えれば雑になってしまったと思います」

　それでも指揮官は、前向きな姿勢を持ち続けた選手たちに満足していたようだ。

「相手に支配された試合はなかったと思います。それよりも我々がチャンスを作ろうとしていたときに決められてしまうという意味で、難しい試合が何度もありました。試合の最後に追いつくことができているのは、選手たちが常に攻めようとする姿勢を持っているからだと思います」

　上里もチームの粘り強さに強い印象を受けており、ここ数試合の戦いがチームの成長に繋がっていくと確信している様子だ。

「（シーズン最初に）勝てたことで若い選手たちが勢いをつけられましたが、失点して追いつくというこういう戦いも経験になります。どこかの段階でゴールは決められるとみんな思いながらやっていますし、複数得点すれば勝てるとみんな思っています」

　決して諦めないチームというのは、どんな相手にとっても戦いにくい。琉球が信念を曲げることなく戦い続ければ、そう遠くないうちに再び勝利を積み重ねることができるはずだ。

（取材・文：ショーン・キャロル）

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