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ソン・フンミンがいる。トッテナム、マンC撃破最大の要因。韓国代表FWはどのような存在なのか?

text by 青木務 photo by Getty Images

リードされてもバランスは崩さない

 トッテナムは41分、ムサ・シソコが足を痛めて負傷交代を余儀なくされる。代わりにフェルナンド・ジョレンテを投入。最前線に入り、トップ下にルーカス・モウラ。デレ・アリがボランチに移った。

 後半に入ってもシティの攻勢は止まらない。しかし、トッテナムも堅守で対抗。押し込まれながらもGKロリスのファインセーブを見せ、一人ひとりが最後までボールに食らいついた。そして、カウンターを発動すればソン・フンミンが駆け上がり、ジョレンテもゴールを狙い、エリクセンは遠目から狙った。

 ボールの握り合いでシティに挑んでも分が悪く、一方で堅守速攻はトッテナムの武器でもある。自分たちのストロングポイントを出すという信念は、59分にこの日4点目を奪われても変わらなかった。

 2-4とされたトッテナム。シティは1stレグでPKを止められたアグエロにゴールが生まれ、さらに勢いづきそうだった。トッテナムはこのままだと敗退となるが、攻撃に目一杯舵を切ったわけではなく、バランスは崩していない。エリクセンがトップ下に入るなど、ゴールへの姿勢は示しつつ、それでも全体としてやるべきことは統一されていた。

 すると73分、左CKを得ると味方のボールにジョレンテが走り込み、腰で押し込んだ。ハンドの可能性もあったためビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)が採用されたが、その確認を経ても得点の判定は覆らず。価値あるアウェイゴールを得たトッテナムだが、この得点を巻き戻すと、ソン・フンミンが重要な役割を遂行したことがわかる。

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