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マンUの決壊を招いたたった1人の“サボり”。マンCが突き進む優勝街道、恐るべき質の高さ

text by 小澤祐作 photo by Getty Images

ついに失点。そして完敗へ…

ベルナルド・シウバ
シティは54分、B・シウバのゴールでついに先制に成功する【写真:Getty Images】

 51分。シティはフェルナンジーニョが負傷でプレー続行が不可能となり、レロイ・サネとの交代を余儀なくされた。もちろんジョゼップ・グアルディオラ監督は選手の配置を変更。スターリングを右WGへ動かしサネを左WGへ、そしてベルナルド・シウバをインサイドハーフに回した。そして、結果的にはこの交代が功を奏することになる。

 フェルナンジーニョの交代からわずか3分後、ギュンドアンからのパスを呼び込んだB・シウバがドリブルで運ぶと最後は左足でニアサイドに蹴り込み、これがゴールネットを揺らした。

 このシーンでもポグバの戻りの遅さというのが失点の引き金となってしまった。ギュンドアンがボールを持った瞬間、右WGのスターリングは中央に入って行く動きを見せたため、マークについていたルーク・ショーも中へ絞っていった。その手前にポジショニングしていたのがB・シウバであり、ポグバは本来ならばそこへ戻らなければならなかった。

 結果論にはなってしまうが、背番号6がカバーに入っていれば、恐らくギュンドアンからB・シウバにパスが入っていたこともなかった。しかし、そこに入れられてしまった。内側に絞っていたショーはその後なんとかB・シウバと対峙することができたが、それ以上に足の振りが速かったポルトガル人MFに対して何もすることができなかったのだ。ユナイテッドにとっては、痛すぎる失点だった。

 一方、ついに先制点を奪ったシティはその後もユナイテッドを圧倒する。55分には鋭いビルドアップからアグエロがポスト直撃のシュートを放つなど、勢いはかなり増していた印象だ。

サネが入ったことにより、攻撃は一層速さを持つようになった。前半にはないようなテンポの良い攻めと個人の技術力の高さ。シティの持っている強さが、後半、ついに目を覚ましたような気もした。

【次ページ】攻撃面での質の違い

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