攻撃面での質の違い
迎えた65分、フレッジの縦パスをカットしたヴァンサン・コンパニがスターリングへパスを出したことでカウンターが開始。背番号7は簡単に中央を突破し、相手陣内へ侵入。その瞬間アグエロが斜めに入る動きを見せたため、ダルミアンがつられ、左サイドががら空きとなった。そこに入ってきたサネにパスが渡り、最後は左足でゴールネットを揺らした。
2点目が決まった瞬間、グアルディオラ監督は渾身のガッツポーズで歓喜し、反対にオーレ・グンナー・スールシャール監督はガクッと顔を下に向けた。この両監督の正反対な反応でも分かる通り、この2点目というのはお互いにとって大きなものとなった。
2点を追うユナイテッドはその後、ロメル・ルカクやアントニー・マルシャル、アレクシス・サンチェスら攻撃的な選手を次々と投入したが、反撃の狼煙を上げることはできなかった。
結果、0-2でアウェイのシティが完勝を収めた。ユナイテッドは最終的にシュート12本を放ったが、そのうちの75%がPA外からのものとなっているなど、ゴールへの期待値はあまり高くなかった。一方シティは計8本のうち実に63%をPA内から放てているというデータが出ている。攻撃面の質は、やはりアウェイチームの方が上回っていた。
アウェイチームはこれで首位に浮上、一方、連敗となったユナイテッドは3位トッテナムと勝ち点差「6」、4位チェルシーと同「3」差の6位となっている。目標のCL権獲得へは、かなり厳しい道のりとなるだろう。
いよいよ今季のプレミアリーグも残すところ3試合となった。シティはこのまま勝ち星を取り続けることができれば、自力での優勝が決まる。リバプールも最後までプレッシャーを与えてくるだろうが、持ち前の勝負強さを押し出して逃げ切りたいところである。
(文:小澤祐作)
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