楢崎正剛が語るGKの真髄。「しっくりきたというか、勉強になったのは…」【新・GK論(前編)】

長いキャリアの中で出会った監督のサッカースタイルを振り返った部分を、5/16発売の最新刊『新・GK論 10人の証言から読み解く日本型守護神の未来』(田邊雅之著)から、発売に先駆けて一部抜粋して前後編で公開する。今回は前編。(文:田邊雅之)

2019年05月15日(Wed)10時15分配信

text by 田邊雅之 photo Getty Images
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絶対に変わらないGKの大事な役目とは?

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楢崎正剛氏【写真:Getty Images】

―最近では、ドイツ代表のマヌエル・ノイアーのような「スウィーパー・キーパー」が脚光を浴びています。

「もちろんそういう役割を要求されるのもわかるし、オールラウンドにプレーできるようにするための技術は、プロとして持っていなければいけないと思います。

 でも僕が強調したいのは、やっぱりそれだけでは、だめだろうということなんです。

 プロの中にはインパクトのあるプレーばかりをしようとする選手もいるけど、僕らにとって一番大事な役目は絶対に変わらない。ゴール前での守備だと思うんです。

 実際、ノイアーにしても、決して前に出るプレーだけで評価されているわけじゃない。

 むしろゴールをしっかり守った上で、前に出ることもできるような選手が、GKとしての完成形として評価されるようになった。そう捉えるのが正しいと思うんです。

 いずれにしても、何か特定のプレーだけを得意にしているようなタイプの選手は、なかなか難しいと思いますね」

―ご自身のプレースタイルに関して、長年のキャリアを通じて変わったり、進化したと思う部分はありますか?

「自分ではよくわからないですけど、GKもチームのひとつの駒なので、監督が目指すサッカーのスタイルによって変わってくる部分も当然ありますよね。

 だから僕は、そういう意味でもサッカー界の大きな流れ、プレースタイルの流行り廃りを、必要以上に気にしないようにしているんです。プロである以上、GKは監督やチームの変化に順応して、自分に求められるプレーをしていくべきだと思っていますから」

―チームが目指すサッカーの親和性という点に関してですが、代表でもクラブチームでも、この監督の、このサッカーのスタイルはしっくりきたというケースは?

「しっくりきたというか、プレーの幅を広げる上で勉強になったのは、フィリップ・トルシエ監督やセフ・フェルフォーセン監督、ドラガン・ストイコビッチ監督といったヨーロッパの監督の方たちですね。

 ヨーロッパ系の監督の方たちはブラジルや日本人の監督の方たちよりも、GKに求めるものがはっきりしていたように感じました」

―具体的には、どのような点に関してですか?

「トルシエ監督はアグレッシブにプレーしろと。前に出て止めるスタイルですね。守備範囲の広さが、すごく求められました。

 フェルフォーセン監督の場合は、ビルドアップにもっと絡めと言われました。もともと彼はオランダ人で、GKがDFと一緒にボールをつないで組み立てていくスタイルを重視していた。だからボール回しをしていくときにどこでパスをもらえとか、どこでDFをサポートしろと、細かくリクエストされたのを覚えています」

(文:田邊雅之)

9784862555045

『新・GK論 10人の証言から読み解く日本型守護神の未来』

<書籍概要>

定価:本体1800円+税

日本が世界で勝つために必要な、新時代のゴールキーパー(GK)論。 楢﨑正剛、川島永嗣、東口順昭、林彰洋、権田修一、シュミット・ダニエル ら日本を代表するGKら10人への総力取材で読み解く、日本型守護神の未来とは?

“身長を言い訳にする時代は終わった。GKこそ“日本化”が最も必要なポジションである。”
本書は、GKの見方をアップデートする新しいバイブルとも言えます。

詳細はこちらから

【了】

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