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日本代表 5年前

U-20日本代表・菅原由勢が吐露した「悔い」。それでも…日本が持ち直した修正力とは?【西部の目/U-20W杯】

シリーズ:西部の目 text by 西部謙司 photo by Getty Images

見るものを増やす

「前半から集中はできていた。けれども、集中しすぎて見えるものが少なくなってしまった」(菅原)

 チームの狙いの1つである「ボックス脇」。「CBが人に食いつく」という分析。そこへフォーカスしすぎたのは、むしろ反省点だというのだ。相手の弱点をついて同点にできたので、作戦成功という感想かと思ったら違っていた。

「見るものを増やさなければいけなかった」(菅原)

 前半にゲームを支配された要因は1つではないが、全体に判断の硬さはあった。緊張しているというより、一点に集中しすぎていた。メンタルよりも目の使い方の問題といえる。サッカーではよくこういうことが起きる。

 1つ有利な情報が入ると、それが有効だからこそ選択肢が1つになってしまうのだ。本来、情報は選択肢の1つでしかない。選択肢を狭めてしまうと自分の判断がなくなり、自分のプレーではなくなってしまう。本末転倒というやつだ。

 エクアドルも最初は硬かった。変わったのは10分を経過したあたりである。DFでボールをキープして、日本がプレスを強めてくるエリアの手前で様子をみていた。相手の出方を自分の目で探る、南米のチームがよくやる試合の進め方だった。

 ようやく日本がリズムをつかんだのは、後半15分から。その前にはエクアドルのPKをGK若原智哉がストップしている。決められて0-2になっていたら追い付けなかっただろう。エクアドルが早く流れをつかんでいたぶん、日本が負けていておかしくない試合だった。

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