久保建英が生んだ大歓声とピッチで証明したもの。日本代表定着へ、コパ・アメリカで登る“本物”の階段

2019年06月10日(Mon)7時00分配信

photo Shinya Tanaka
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久保建英
エルサルバドル代表戦で日本代表デビューを飾った久保建英【写真:田中伸弥】

【日本 2-0 エルサルバドル キリンチャンレンジカップ2019】

 日本代表は9日、キリンチャレンジカップ2019でエルサルバドル代表と対戦し、2-0で勝利を収めた。

 ひとめぼれスタジアム宮城が大歓声に包まれたのは、67分のことだった。中島翔哉とともにユニフォーム姿になったのは、日本代表デビューが期待されていた久保建英。その姿を目にしたサポーターは、一気に視線を18歳に集めたのである。

 背番号27を身に付けたMFは南野拓実と交代し、ピッチに入った。その瞬間、再びスタジアムは大きな歓声に包まれた。やはり18歳の俊英に対する期待は果てしなく大きい。そうしたものを、サポーターの声援から感じることは決して難しくなかった。

 選手からすれば、そうした期待というのが大きなプレッシャーとなってもおかしくはない。だが久保はそうではなかった。反対にそうした期待を力に変えることができるというのを、さっそくピッチ上で証明したのである。

 トップ下でプレーした久保は、状況を見てサイドに流れるなどボールを呼び込むための動きを止めない。パスを受けては首を振って周りの状況をしっかり確認し、パス、ドリブルで違いを生む。ボールタッチは非常に柔らかく、無駄がない。18歳とは思えぬ堂々としたプレーで、すんなりと試合に入っていったのだ。

 73分には右サイドで“魅せる”。大迫勇也のポストプレーからスペースでボールを受けた久保はエルサルバドルのDF2人の間をドリブルで突破し、ペナルティエリアへ侵入すると、そのまま左足を振り抜いた。これは惜しくも相手GKにセーブされてしまったが、敵に恐怖心を与えるには十分なプレーだった。

 その後も久保は、落ち着いたパフォーマンスを披露し、観客を最後まで魅了し続けた。プレー時間は約20分間であったが、その中でも最大限、持ち味は発揮できていたと言えるだろう。コパ・アメリカ(南米選手権)でのプレーがますます楽しみ。そうした感情を芽生えさせるかのような、堂々としたデビュー戦であった。

 森保ジャパンの中心メンバーである堂安律がここ最近の調子を落としている中で、久保のこうした活躍があるというのは森保一監督、日本代表にとっても大きな収穫となったはず。まだ1試合を消化しただけではあるが、代表レベルであれほどのプレーを見せられるのならば、最激戦区となっている2列目のレギュラー争いにも割って入ることができるはずだ。

 また、FC東京では主に右サイドハーフでの出場となっている久保が、トップ下でも遜色なくプレーできたのはやはり大きい。同ポジションでの活躍があったことで、3バックシステム採用時にシャドーで起用しても問題ないことが改めてわかったということが言える。シャドーとトップ下で求められる役割が若干違うにしても、プレーする位置はほぼ同じ。これも一つの収穫と言えそうだ。

 エルサルバドル戦で、久保の大きな課題というものはあまり見受けられなかった。しかし、勝負はここから。コパ・アメリカで対戦するチリ代表、エクアドル代表、ウルグアイ代表はエルサルバドル代表より何段も上のレベルにあるチーム。とくにウルグアイ代表は世界でも屈指の堅守を誇る国。ディフェンスラインにはディエゴ・ゴディン、ホセ・マリア・ヒメネス(ともにアトレティコ・マドリー)、マルティン・カセレス(ユベントス)、ディエゴ・ラクサール(ミラン)などビッグクラブで活躍する猛者が揃っている。

 それらの選手と激突したとき、久保にとっては大きな壁となり、そこで課題も見つかるかもしれない。だが、それを乗り越えた時、18歳の俊英は“本物”となることだろう。いずれにしても、久保のコパ・アメリカでのプレーには大きな注目が集まる。

【了】

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