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日本代表 5年前

久保建英のレアル移籍。スペイン人記者が読み解く「移籍金なし、厳しい立場かも…」「禁断の移籍とは違う」

text by 舩木渉 photo by Getty Images, Shinya Tanaka

鍵になるのはラウール監督!?

ラウール・ゴンザーレス
英雄ラウールがレアル・マドリー・カスティージャの監督に就任する見込み【写真:Getty Images】

 では、久保の将来はどうなるのだろうか。トップチーム昇格は見えてくるのか? あるいはレンタル生活になるのか? はたまた別のクラブでキャリアを築くことになるのか? オルメド記者は来季からマドリーのカスティージャを率いる予定のラウール・ゴンザレス監督の存在が重要になると見ている。

「久保のトップチーム昇格が確約されているかはわからない。1年目はカスティージャでプレーして、次のシーズンはトップチームに昇格するか、レンタルで他のクラブに移籍するかではないだろうか。例えばラ・リーガ1部のどこかとかね。そういう可能性は久保にも十分にあると思う。もし僕が彼だったとしたら、2年目はレンタルに出る方を選ぶ。そっちの方がマドリーに残るより賢明だと思うよ。

カスティージャでライバルになるのはホルヘ・デ・フルトス、クリスト・ゴンザレスあたりだろう。でもクリストは夏の間に出ていくと思う。おそらくはレンタルで1部のクラブに移籍する。そしてブラジルからやってくるロドリゴは久保がプレーする上で最も強力なライバルの1人になるかもしれない。

ラウールが監督になったら、カスティージャがチームとして久保に合わせるのではないだろうか。右サイドでも左サイドでもプレーできるし、クラブは彼の能力をそれくらい高く評価していると思う。もう1つの理由としては、あのチームは他とは全く違うということが挙げられる。毎年選手が大量に入れ替わることもあって、システムをその時にいる選手によって決めていくからね。カスティージャは久保とともにより高いレベルに到達できる可能性がある。高額な給与を払っていて、(ビジネス的にも)大きなチャンスでもあるとなれば、クラブは監督に久保が望むようにプレーさせるよう要求するかもしれない」

 オルメド記者は、ラウールの監督としての手腕は「(ジネディーヌ・)ジダンより上」だと評し、「多くの人が彼のことを心の底からリスペクトしていて、彼のためのチームがある。カスティージャでどんな監督になるか誰もが楽しみにしている。戦術面ではジダンよりも優れているだろうし、監督として将来を考えたら、ジダンよりも成功できる可能性は大いにある」と大きな期待を寄せている。久保がカスティージャで結果を残して評価を確立し、ラウールが将来トップチームを率いるようになったと同時に“昇格”という青写真も描けるだろか。

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