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法政大FW上田綺世。9年ぶり大学生日本代表がチリ相手に奮闘も、外した決定機…ウルグアイ戦で挽回なるか【コパ・アメリカ】

text by 編集部 photo by Getty Images

上田綺世
チリ戦で日本代表デビューを果たした上田綺世【写真:Getty Images】

【日本 0-4 チリ コパ・アメリカ2019】

 日本代表は現地時間17日、コパ・アメリカ2019(南米選手権)・グループリーグC組第1節でチリ代表と対戦し、0-4で敗れている。

 前半こそ互角以上に戦っていた森保ジャパンであったが、41分にコーナーキックからエリック・プルガルに先制ゴールを許すと、後半は守備が完全に崩壊。54分にエドゥアルド・バルガス、82分にアレクシス・サンチェス、83分に再びバルガスにゴールを許し、初戦を大敗で終える結果となった。課題が多く見つかった試合となったのももちろんだが、コパ・アメリカ2連覇中のチリ代表との力の差が明らかとなったゲームでもあった。

 もちろん敗因は様々あるが、中でも際立ってしまったのが日本代表の決定力不足だ。森保ジャパンはこの日、計13本ものシュートを放つなど、少なからずチャンスは作れていた。しかし、枠内に飛んだのはわずか3本。対してチリ代表は計16本のシュートのうち、実に9本を枠内へと飛ばしている。ここの差は、明らかであった。

 とくにこの試合で多くの決定機を逃してしまったのが、現役大学生FWの上田綺世である。

 法政大学在学中であり、2021シーズンからの鹿島アントラーズ入りを内定させている同選手は、コパ・アメリカメンバーに選出されたことで、山村和也、永井謙佑以来9年ぶりとなる大学生でのA代表入りを果たした逸材だ。すでに年代別代表でも結果を残しているなど、今後の成長が大いに期待されている。

 そんな上田はこのチリ戦でいきなり先発出場のチャンスを得た。しかし、同選手にとっては絶好のアピールの機会となったが、結果は少し残念なものとなってしまった。

 1点ビハインドで迎えた44分、相手のパスミスを拾った柴崎岳がダイレクトで前線へパス。これに反応した上田がGKガブリエル・アリアスと1対1の場面を作り、相手守護神をかわすところまで持っていったが、シュートは枠を捉えきれなかった。

 さらに57分にも柴崎が右サイドからクロスを上げ、これに上田が反応。チリのDFは誰もマークに付いておらず、完全フリーな状態でシュートを打つことができたが、ボールをうまくとらえることができず、シュートはゴールを大きく外れてしまった。結果論になってしまうが、このシーンが日本代表最大のチャンスとなっていた。

 74分にも三好康児からのパスを受け、ペナルティエリア内へ侵入。再びアリアスとの1対1の場面を迎えたが、ボールコントロールが少し長くなってしまい、これも枠を捉えることができず。

 結局、上田は岡崎慎司と交代するまで79分間プレーし、計4本のシュートを放ったが、枠内シュート数は1本に留まってしまった。チームも無得点で敗北。選手本人からすると、ほろ苦い日本代表デビューとなってしまった。

 しかし、動き出しやポジショニングで違いを作れていたのは明らかであり、この点はチリのDF陣はかなり苦労していた印象だ。そのため、決定力の低さは目立ってしまったが、すべてが悪かったとは言い難い。

 次戦は強豪ウルグアイと激突する森保ジャパン。同国はチリよりも力のあるチームといっても過言ではなく、再び厳しい戦いを余儀なくされるだろう。そしてチリ戦では決定機を逃し続けた上田は、ウルグアイ戦で露呈した課題を修正したいところ。次はゴールを決め、チームを勝利に導きたい。

【了】

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