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マンCの“最新版”戦術とは? あまりに強すぎた理由と驚異的だったチームと選手の進化【18/19シーズン総括(2)】

シリーズ:18/19シーズン総括 text by 内藤秀明 photo by Getty Images

選手たちの成長

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ペップ・グアルディオラ(左)と話すセルヒオ・アグエロ(右)【写真:Getty Images】

 進化したのは戦術面だけではない。選手もだ。多くのプレイヤーがさらなる伸びしろを見せたので、全員に触れることは難しいが、特に目立った選手たちについて取り上げていきたい。

 まずはセルヒオ・アグエロ。一昨シーズンの出来をみると、ストライカーのファーストチョイスはガブリエル・ジェズスに思われたが、アルゼンチン代表ストライカーは既に30歳を超えているにもかかわらずプレースタイルのアップデートに成功した。

 アグエロといえばもともと、得点はとるが、それ以外の仕事はほとんどしない印象だった。良い意味でも悪い意味でも、戦術フリーの点取り屋だったのだ。だからこそペップの要求する相手を崩すための偽9番的なボールを引き出す動きなどには、ほとんど適応できておらず、若いジェズスのほうが序列が上に見えたのだ。一昨シーズンまでは。

 昨季のアグエロは、中盤から縦パスを引き出す動きを習得して、円滑なポゼッションにも貢献するようになった。結果として、パスワークの場面で悪い意味で浮いてしまうことはほぼなくなり、ペップの信頼を得ることに成功した。

 ポゼッションにも集中するようになったからといって、得点もおろそかになっていない。きちんとリーグ戦では21ゴール決めてチームのトップスコアラーになっている。

 ベテランになってからの進化だったこともあり、多くのファンを驚かせた。

 前線で進化した選手でいうと、ラヒーム・スターリングも同様だ。

 突破力は間違いないが、その後のプレーに課題を抱えていたイングランド代表アタッカーは、フィニッシュ面のクオリティ向上に成功し、リーグ戦では17ゴール決めることに成功した。

 あとはこれを継続していきたいところだ。

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