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マンCの“最新版”戦術とは? あまりに強すぎた理由と驚異的だったチームと選手の進化【18/19シーズン総括(2)】

シリーズ:18/19シーズン総括 text by 内藤秀明 photo by Getty Images

デブライネ離脱の穴を埋めたのは

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ベルナルド・シウバ(左)とラヒーム・スターリング(右)【写真:Getty Images】

 思い返すと昨シーズンはケビン・デブライネが負傷離脱している期間が長かった。

 一昨シーズンはMVP級のパフォーマンスを披露したベルギー代表MFの離脱は大きな痛手だったはずなのだが、実際はそこまで目立つことはなかった。ベルナルド・シウバがその穴を埋めたからだ。

 B・シウバのもともとポジションはウイングだ。しかしペップの下で成長することで、インサイドハーフとしてもプレー可能であることを示した。

 特に向上したのは守備面だろうか。以前は攻守の切り替えがやや遅くなる面もあったようだが、昨季はそんな欠点一切見せなかった。それどころか無尽蔵にピッチを走り回り、時には1試合の走行距離が13kmも超え、誰よりも存在感を発揮した。それでいてボールを持った際には突破の選択肢もパスで周りを生かす選択肢もあるのだから驚きだ。

 また中盤の攻撃面を活性化させたという意味では、ギュンドアンがようやくシティのサッカーに100%フィットできたのも大きかった。これまでのDMFに関してはフェルナンジーニョ一択で、彼の負傷と共に勝ち点を落とす例も多かった。実際、昨シーズンの年末、レスター戦とクリスタル・パレス戦で敗れた試合では、ブラジル代表MFが不在で、中盤のフィルター面に難を抱えていた。

 しかし年明け以降、ドイツ人MFがシティの戦術にハマった。フェルナンジーニョほどではないもののフィルターとして一定機能しつつ、攻撃面ではブラジル人以上に貢献。攻撃のスイッチを入れる縦パスを何度もいれて得点の起点となるばかりか、精度の高いアーリークロスもボックス内に送り込んだ。時にはボックス内へ飛び込んでいき、自身でゴールを決めるプレーも見せた。

 ギュンドアンの台頭で、攻撃的に戦いたい試合と守備的に戦いたい試合で、DMFを使い分けることができるようになったと言える。

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