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アトレティコ、CL逆転敗退のショック。世代交代期に突入したシメオネの誤算とは?【18/19シーズン総括(5)】

2018/19シーズンは、これまでスペインが握っていた欧州の覇権がイングランドへと移る結果で幕を閉じた。タイトル獲得や昨季からの巻き返しなど様々な思惑を抱えていた各クラブだが、その戦いぶりはどのようなものだったのだろうか。今回はアトレティコ・マドリーを振り返る。(文:加藤健一)

シリーズ:18/19シーズン総括 text by 加藤健一 photo by Getty Images

深刻な得点力不足

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アトレティコ・マドリー【写真:Getty Images】

ディエゴ・シメオネ政権8年目となった昨季、リーグ戦の順位は2位だったものの、UEFAチャンピオンズリーグ、コパ・デル・レイ(国王杯)ではともにベスト16で敗退した。

リーグ戦では序盤戦に勝ちきれない試合が続き、6勝1敗7分とつまずく。アトレティコ・マドリーはこの14試合で18ゴールのみと、得点力に苦しんだ。リーグ戦の総得点は55で、ディエゴ・シメオネ政権下では初年度に次ぐワースト2位。直近3シーズンでは70、58、55と下降線を辿っており、得点力の低下が顕著に表れている。

FWアントワーヌ・グリーズマンと2トップを組むFWジエゴ・コスタはリーグ開幕から7戦ノーゴールと不調が続き、その後は怪我による離脱が続いた。ついには31節のバルセロナ戦ではで退場処分に加えて8試合の出場停止となり、一足先にシーズンを終了。リーグ戦16試合出場、2ゴールのD・コスタのパフォーマンスは、チームにとって大きな誤算だった。

アトレティコはD・コスタの穴埋めのため、2016/17シーズンまで宿敵レアル・マドリーに在籍したFWアルバロ・モラタを1月にチェルシーから期限付きで獲得。しかし、リーグ戦6ゴールと期待には応えることはできなかった。

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