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日本代表 5年前

久保建英のドリブルはなぜ凄いのか? ピッチレベルだからこそ分かる「判断力」【カメラマンの視点で徹底解説(2)】

シリーズ:カメラマンの視点 text by 山田一仁 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography

「動かない」ことで味方を生かす

久保建英_yamada
エルサルバドル代表戦で久保が見せたプレー【写真:Kazhito Yamada / Kaz Photography】

 右サイド、ドリブルで自らゴールに向かっていけるところを敢えて止まって、堂安が上がってくるのを待ち、彼にスルーパス。

「溜め」を作るという意味では、普通に見えるかもしれない。ただ、久保が自らドリブルで行けるところを敢えて行かなかったところがスーパープレー。ゴール裏メインスタンド側のポジションにいた私のカメラが久保を捉えたフレームの右端にセンターバック4番が写っている。

 久保が自らドリブルをしたら、この4番のセンターバックが出て来る。しかし、久保が止まっていれば、センターバックは中にクロスを入れられる場合の対応があるので、久保のところには行けない。

 この久保の前のスペースに堂安がトップスピードに乗って上がってきたところにパスを出せば、堂安は4番のセンターバックがカバーに来る前にシュートが打てる。
  
 自分が動かないことで、相手のバックラインを止めておいて、その空いたスペースをうまく使って堂安にシュートを打つ間合いを作るというアイデアが久保の頭にあるところが凄い!

(撮影・文:山田一仁)

【了】

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