堂安律がELという舞台で感じたもの。モチベーションの低い相手を前に、何を求められたのか?

ヨーロッパリーグ・グループリーグD組第1節、PSV対スポルティングCPが現地時間19日に行われ3-2でホームチームが勝利している。PSVに所属する堂安律は78分から出場。約10分間で見せ場はほとんどなかったが、試合後にはポジティブなコメントも残した。日本代表MFがELという舞台で感じたもの、そして求められたこととは。(取材・文:本田千尋【アイントフォーヘン】)

2019年09月20日(Fri)12時04分配信

text by 本田千尋 photo Getty Images
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「まあこんなもんか…って感じでした」(堂安)

堂安律
PSVのMF堂安律【写真:Getty Images】

 明らかにクオリティはPSVの方が上だった。現地時間9月19日に行われたヨーロッパリーグ(EL)グループDの第1節。マルク・ファン・ボメル監督率いるチームは、ホームでスポルティング・リスボンと戦った。

 試合後の3-2というスコアだけを見れば、緊迫感の中で派手な撃ち合いが繰り広げられたようなゲームを想像するかもしれない。しかし、実際のフィリップス・スタディオンは、緩やかな雰囲気が漂い、ちょっとしたお祭りムードだった。チャンピオンズリーグ(CL)で実現してもおかしくないカードだったにもかかわらず、CLのようなテンションと強度は見当たらなかった。

 よって78分から途中出場した堂安律が、拍子抜けしたのも無理のないことだった。

「うちのチームが強かったですし、今日も。僕が出た10分間で、凄いと思う選手もいなかったですし、まあこんなもんか…って感じでしたね」

 ただ、昨季のEL準々決勝2ndレグでフランクフルトにやってきたベンフィカと同じように、この日アイントホーフェンで試合をしたスポルティングも、モチベーションの高さが疑わしかった。ドニエル・マレンやステフェン・ベルフワイン、モハメド・イハッタレンら若く野心溢れる選手を揃えたPSVの方がアグレッシブだった。ボールを力強く回して、スポルティングを圧倒した。

 もちろん初めて欧州の舞台に立ったことに対して、堂安自身、何も感じないわけではない。

「もちろん嬉しいです。サッカー選手として少しでも上のステージで、という気持ちがあって、もちろん嬉しい気持ちはありました。ただ、ここで一喜一憂していては成長できないですし。まだスタメンで出たわけではないし、危機感を持ってやっています。そういう意味では、下にいる立場なので、追い上げるだけで楽しくて仕方ないですね」

堂安は過密日程を大歓迎

 日本代表MFは、ブルマとの交代で右サイドに投入された。その時、ファン・ボメル監督から、堂安は「まずは守備の戦術を伝えられた」という。そして攻撃に関しては、次のように言われたのだそうだ。

「攻撃は自由にやれば、近くに良い選手がいるから」

 投入された時のスコアは3-1だったので、当然と言えば当然だが、堂安に過度なミッションが与えられることはなかった。ファン・ボメル監督は、ひとまず新加入の堂安を、PSVというチームに少しずつ慣れさせようとしているようである。

 試合が決まっている状況で、10分間の出場ではほとんど見せ場はなかったが、アディショナルタイムに入った直後、堂安は、ロングカウンターから左足で惜しいシュートを放った。ゴールを決めることはできなかったが、それでも堂安はポジティブだ。

「感覚的にフローニンゲンに来た当初を思い出すような感じで、すごいフレッシュな気持ちでプレーできています」

 そしてしばらく過密日程が続くが、堂安は「楽しくて仕方ないです」と言う。

「すぐに試合があるのが楽しくて仕方ないですし。どちらかというと僕は不安症というか、メンタルを常にハイで持っておきたいタイプなので、試合が常にあることによって、自分のモチベーションを常にハイで保てますし。どうしても4日、5日空いてしまうと、もっとやりたいという欲が出てくるので、早く試合ができていいと思いますし。相手も強いのでね、次の試合の相手はアヤックスなのでね」

 試合数が多ければ、それだけ出場のチャンスが増えるということでもある。22日のアヤックス戦でも、試合展開によっては、堂安が投入される可能性はある。オランダ王者との一戦で出場の機会が巡ってきたら、緊迫感の中でインパクトを残す、またとないチャンスだ。

(取材・文:本田千尋【アイントフォーヘン】)

【了】

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